大日本印刷(DNP)とパナソニック コネクトは10月7日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) の運営を担う関係者の入場管理に使用する関係者入場証(以下:AD証)および顔認証入場システムを導入することを発表した。これに伴い、AD証の発行および受け渡しを行う「ADセンター」を同日開設する。
大阪・関西万博は「未来社会の実験場」をコンセプトに、Society5.0実現型会場を目指している。今回のシステムは、DNPの高いセキュリティ基準のカード発行体制と柔軟な事務センター運営、パナソニック コネクトの世界最高水準の顔認証技術を組み合わせたもの。
この博覧会では、運営を担う協会職員、各国・地域や企業のパビリオン参加者、メディア関係者、ボランティアスタッフなど、多数の関係者の入場が見込まれている。ピーク時には1時間に5,000人以上がゲートを通過すると想定されているため、スムーズな入場と厳格な本人確認の両立が必要となる。今回導入されるシステムは、10万人規模の関係者を対象に、30台のゲート設備で顔認証とQR認証を組み合わせ、迅速かつ正確な本人確認を実現する。
他人の写真を使ったなりすましや不正を見抜く高精度の顔認証を導入し、逆光や暗闇など屋外の過酷な条件にも対応。1時間に5,000人以上の顔認証をスムーズに処理できる環境を整備し、AD証の貸し借りや盗難による不正を防ぎます。さらに、AD証内部にホログラムを埋め込むことで偽造を防止し、ADセンターでは厳格な情報管理体制を構築して顔画像データを含む個人情報の漏えいを防ぐ。
なお、AD証(カード)のプラスチック素材には、工場から排出されたPVC廃材を80%以上再利用したリサイクル材が使用され、入場ゲートや認証端末も会期後にリース資材として再利用されるなど、環境への配慮や循環型社会への貢献も行われる。