Microsoftは10月1日(現地時間)、Windows向けのAIアシスタント「Copilot」の新機能として、開発中の実験的機能をユーザーがテストできる「Copilot Labs」を発表した。これは、同日に「Windows 11 24H2」の配信が始まったことを受けて、「Copilot+ PC」向けの新機能の一部として追加されたもので、Copilot Proユーザーが利用できる。
テスト可能な機能の第1弾として登場したのが「Think Deeper」と「Copilot Vision」であり、Copilot Blog「Introducing Copilot Labs and Copilot Vision」で詳しく紹介されている。
より複雑な質問に対応する「Think Deeper」
「Copilot Labs」は、開発中のCopilotの機能をリリース前に試すことができる仕組み。Microsoftは、Copilot Labsの目的について、一部のユーザーを対象として新機能を試してもらい、フィードバックを集めてその教訓を製品に反映させることと説明している。
同社は今年5月にCopilot+ PCの目玉機能として「Recall」を発表したが、セキュリティやプライバシーの保護に関する懸念の声が多く、リリースを延期したという経緯がある。Copilot Labsは、リリーズ前に識者からの意見を集めることで、このような事態を未然に防止するための取り組みでもある。
Copilot Labsで利用可能になる最初の機能として挙げられているのが「Think Deeper」だ。Think Deeperは、最新の推論モデルを使用して通常のCopilotよりも深い洞察を行うAIで、回答に時間がかかる代わりに、より複雑な質問に答えられる。
Think Deeperは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国の一部のCopilot Proユーザーに対して10月1日より展開が開始された。
画面に表示されている内容に沿った会話ができる「Copilot Vision」
Copilot Labsを通じて提供されるもう一つの実験的機能が「Copilot Vision」である。これは、Webブラウザに表示されているテキストや画像についてAIと会話ができるというもの。
例えば、写真の内容について質問したり、Webサイトを見ながら買い物の相談したりといったことができるという。また、Webサイトのコンテンツに対して次にユーザーがとるべき行動をナビゲートしたり、タスクを支援したりといった使い方も想定されている。
Microsoftによれば、Copilot Visionは完全にオプトイン式であり、ユーザーが明示的に有効化しない限りは利用できないという。プレビューバージョンでは、Copilotとの会話を含めてコンテンツは一切保存されず、トレーニングにも使用されないとのこと。「いつ、どのように、使用するか、使用するかどうかは厳密にユーザーが決定する」と強調されており、Recallの発表時のような不安をユーザーに抱かせないように配慮している様子が伺える。
Copilot Visionは、米国のCopilot Proユーザーの一部を対象に間もなくテストが開始される予定となっている。