セイコーエプソンは9月26日、同社初となる無線送信機向けRF(Radio Frequency)トランスミッターIC「S1S77100」の量産を開始したことを発表した。

本格的なIoT時代を迎え、さまざまな機器における無線通信のニーズが高まっている。そうした背景もあり、無線通信機器のデザイン性の向上やバッテリー駆動の長寿命化などに対する要望も高まっており、RFトランスミッターICに対する小型化や低消費電流化といったニーズも高まりを見せている。

同製品は、そうしたニーズへの対応に向けて、UHF帯の特定周波数のみに対応する形で、小型かつ低消費電力を実現したもの。シリアルインタフェース(SPI)での制御により、周波数300~465MHzまたは600~930MHzを選択でき、特定小電力無線の標準規格に対応。4mm×4mmのSQFNパッケージにPLLとPower Ampを内蔵することで、外付けの水晶発振器と組み合わることで無線送信機能を容易に構築することを可能としている。さらに、PowerDownモードでTyp.20nA(VDD=3.0V、Ta=25℃)の低消費電流性能を実現しており、小型機器であってもバッテリーの長寿命化を実現でき、システム設計の簡素化と評価工数の削減につなげることができるようになると同社では説明している。

なお、同社では主なターゲット市場として、ホームセキュリティ機器、スマートメーター、飲食店の呼び出しベル、ゴルフカートのリモコンなどの無線送信機を想定しているという。

  • RFトランスミッターIC「S1S77100」の外観

    RFトランスミッターIC「S1S77100」の外観。パッケージは4mm×4mmの24ピンSQFNパッケージを採用 (出所:セイコーエプソン)