10月15日から18日までの4日間、幕張メッセでは“Innovation for All”をテーマに掲げた国内最大級の展示会「CEATEC 2024」が開催される。その開催まで1か月を切った9月20日、今回のCEATECに関する報道関係者説明会が開催され、CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏から、展示会の概要や注目のポイントが語られた。
25周年を迎えたCEATECのテーマは“Innovation for All”
電子情報技術産業協会(JEITA)が主催するCEATECは、2000年の初開催(当時はCEATEC Japan)以来、IT/家電総合展として開催を続けてきた。そして2017年からはコンセプトを“Toward Society 5.0”へと転換し、新たなつながりや発見が生まれる「デジタルイノベーションの総合展」として開催されている。2023年に行われた前回は684の企業・団体が出展し、来場者は8万9047人に上った。鹿野氏は「コロナ禍以前の水準まではまだ戻っていないが、2022年以降でみれば順調に増加しており、着実に伸びていると思う」と話す。
そして今回は、初開催から25周年となる節目の開催。その集大成として“Innovation for All”をテーマに掲げ、あらゆる産業で起こるイノベーションが集まる展示会にすることを目指すとしている。
出展企業の半数以上がAI関連技術を紹介
鹿野氏は今回のCEATECに関する特徴として、AIに関連した展示の多さを挙げる。数多くの出展者のうち半数以上がAI関連の技術・ソリューションを展示する予定で、幅広い分野からの関心の高さがうかがえるとのこと。また展示会内では、25周年特別企画「AI for All」の特設ブースも展開され、23の企業・団体が出展し、急速に変化する未来の社会や最新技術を紹介しながら、新たなイノベーションを目指すとしている。
「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024」とも併催
またCEATEC 2024では、時を同じくして「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024」との併催が決定。AIをはじめとするデジタルイノベーションが集まるCEATECのすぐ隣で、今後の発展が期待されるモビリティ技術が集結する。
JAPAN MOBILITY SHOWはこれまで2年に1回の開催で、2024年は通常開催されない予定であったが、モビリティに対する注目度が急速に高まる状況を受け、特にスタートアップやビジネスにフォーカスした“BIZWEEK”として開催されることに。そして同イベントを主催する日本自動車工業会からの打診もあり、スタートアップに注力する点など親和性の高いCEATECとの併催に至ったという。
なお、両展示会では事前入場登録システムを共有するなど連携が行われており、会場の相互乗り入れもスムーズに行われるなど、同一イベントのような雰囲気になるよう準備が進められているといい、鹿野氏は「モビリティ関係の参加者がCEATECに訪れたり、その逆の流れが生まれたりと、イベント併催による相乗効果が生まれることを期待している」と語った。
産官学の重要人物が登壇する200以上のコンファレンスも展開
加えて会期中には、CEATECの25周年を記念した特別セッションなど、産官学各所からの登壇者によるコンファレンスプログラムも充実。CEATECを主催するJEITAで会長を務めるパナソニック ホールディングスの津賀一宏取締役会長と、併催のJAPAN MOBILITY SHOWを主催する日本自動車工業会で会長を務めるいすゞ自動車の片山正則代表取締役会長CEOの両者が登壇するセッションは、注目が集まる見込みだ。
また近年話題を呼ぶ「デジタル田園都市国家構想」について、内閣官房や4省庁から重要人物が登壇するセッションも15日に開催予定。その他にも、AIやDX、次世代通信など未来に向けて見逃せないテーマのもと、200以上ものコンファレンスが展開されるといい、10月中にはCEATEC公式Webサイトにてオンラインセッションも公開される。
共創・次世代・国際を鍵にした特別エリアにも注目
さらに会場内では、主催者特別企画として「パートナーズパーク」「ネクストジェネレーションパーク」「グローバルパーク」の3エリアを展開。100以上の企業・団体が共創を発信する場、スタートアップや大学・研究機関による未来の技術の種が集まる場、米国やヨーロッパをはじめUAE(アラブ首長国連邦)やラトビアなどさまざまな国が集まる場として、来場者を迎え入れる。
なお、出展される中から先進性・将来性に優れた技術や製品を表彰する恒例企画「CEATEC AWARD」は、10月10日の記者会見にて発表される予定とのこと。正式な出展社数などについても、同日に発表される予定だとしている。