SUMCOと佐賀大学ならびに産業技術総合研究所(産総研)の3者は9月17日、半導体シリコンウェハの製造技術に関する研究開発や実証実験、ビッグデータ・オープンデータの利活用、人材育成・人材交流など、半導体産業の発展に向けた幅広い分野に対する包括協力協定を締結したことを発表した。

佐賀大とSUMCOは2019年より佐賀大シンクロトロン光応用研究センターにおいて共同研究として、シリコンウェハの評価・解析や同大研究者とSUMCOのエンジニアによる意見交換の実施などの連携を進めてきたほか、産総研とSUMCOは2023年より産総研九州センターにてシリコンウェハ製造設備の異常検知のための計測技術のコンサルティングや、産総研の研究者とSUMCOのエンジニアの交流などを行ってきたという。また、佐賀大と産総研も2001年より連携大学院制度を通じ、産総研研究者の大学教員への併任や毎年10名程度の学生の派遣・受け入れ、共同研究などの連携を進めてきた経緯がある。今回の協定は、そうした3者のつながりが、2022年10月に設立された「さが半導体フォーラム」をきっかけに、一層の連携強化を進める必要があるという認識となったことから締結されたものとなるという。

なお、3者は今後、半導体シリコンウェハの高品質化および生産性向上に関する研究開発や実証実験、データサイエンス・AIを活用したビッグデータ・オープンデータの利活用によるビジネス分野における課題解決、それらの実証を行う人材育成を目指し、研究者・技術者の相互交流をはじめ、学生も含めた教育および育成に取り組むとともに、共同研究成果の積極的な産学活用と応用を目指すとしている。