ロボットが図書館を所狭しと動き回り蔵書のチェックを行う、そんな近未来的な光景に現実が追い付こうしている。シダックスグループのシダックス大新東ヒューマンサービス(以下略、SDH)とサイバーコアは9月5日、共同で開発した画像解析AIで図書館の蔵書管理を行う「KoKoBo(ココボ)システム」の平泉町立図書館への導入を発表した。
AI認識技術搭載自走ロボットとクラウドで図書館の蔵書点検を行うシステムが岩手県の平泉町立図書館に導入
両社によって開発された図書館蔵書管理システム「KoKoBoシステム」は、画像解析AI認識技術によりカメラから本の背表紙の画像をスキャンし、本のタイトルを認識。図書館システムの蔵書データと照合し、資料の有無を確認するクラウドシステム。
画像をスキャンするカメラがあれば利用可能で、様々なデバイスに搭載できる。今回はugo社の業務DXロボット「ugo Pro(ユーゴー プロ)」に搭載、自走しながら移動し本棚をスキャンし、自動で蔵書点検を行える。本一冊ごとにICタグを貼り付ける作業や数万冊ある蔵書を手作業でチェックする作業も不要となり、スタッフの業務負担軽減に大きく貢献する。
同システムは、SDHが受託運営する岩手県の平泉町学習交流施設 エピカ内の平泉町立図書館で実証実験を行っており、図書館スタッフが10日間かけて行う蔵書点検作業を2日で行うなど効果が実証されている。SDHは2024年8月末現在、全国約100カ所の公立図書館の運営と館内業務を受託しており、9月7日から実証実験を行った平泉町立図書館で「KoKoBoシステム」導入を決定、今後システム改良を進めサービスの更なる普及を目指していくという。