Sakana AIは9月4日、シリーズAラウンドで総額1億ドル(約145億円)超の資金調達を行うと発表した。シリーズAラウンドは、New Enterprise Associates、Khosla Ventures、Lux Capitalが主導し、NVIDIAも参加。今回の資金調達により、日本における研究やインフラストラクチャ、AIコミュニティ構築に関してNVIDIAとの新たなコラボレーションも発表している。

NVIDIAとのコラボレーション

NVIDIAとのコラボレーションは「研究協力」「データセンター」「日本のAIコミュニティ発展」の3つの柱で取り組む。

研究協力では、Sakana AIは効率的な基礎モデル開発のための新しい技術を考案し続けているため、NVIDIAのGPUへのアクセスは、進化的最適化手法のスケーリングやスパース性の活用などに役立つという。

データセンターについてSakana AIは、NVIDIAがサポートする施設へ迅速にアクセスすることで、NVIDIAの最新技術を活用したAI開発において日本が競争優位性を確保できるよう、初期テスト段階での実験を支援する。

AIコミュニティの発展に関して、現在の日本のAI人材の状況は中国や米国の主要都市で見られるものと比べると技術的に限られているが、今回のコラボレーションにより変える可能性を秘めているという。NVIDIAのサポートによるイベント開催やハッカソン、大学へのアウトリーチなど、日本のAIコミュニティにおける活動を拡大していく。

NVIDIA Founder and CEOのJensen Huang(ジェンスン・フアン)氏は以下のようにコメントしている。

「各国はソブリンAIを採用し、独自の大規模言語モデルを通じて自国のデータ、文化、言語を把握し、体系化しています。サカナAIのチームは、NVIDIAのアクセラレーション・コンピューティング・プラットフォームを用いて科学的発見を自動化し、スピードアップするための最先端の基盤モデルを開発することで、日本におけるAIの民主化に拍車をかけています」(フアン氏)

今後、Sakana AIは日本に世界トップクラスのAI研究所を建設し、直面するであろう課題に対処するために、日本と同盟国を支援する技術を生み出すことを目指す。

そのため、シリーズAラウンドで調達した資金をもとに、人材への投資を続け、最もAI人材の密度が高い企業を築くことを計画している。また、自然から着想を得た、持続可能でエネルギー効率の高いAI技術を発展させるという同社の使命に不可欠なインフラの整備にも、引き続き投資を行う予定とのことだ。