NTT、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)、ACCESS、IP Infusion、Broadcom、Edgecore Networks、UfiSpace、富士通オプティカルコンポーネンツ、NECの9社は9月4日、各社が持つ技術や製品を組み合わせて、400Gbpsの高速データセンター間接続を実現するIOWNネットワークソリューションを提供する体制が整ったと発表した。
NTT 技術企画部門 統括部長 島津義嗣氏は、同ソリューションがデータセンター間の接続を対象としている点について、次のように説明した。
「昨今、データ量とそれらを処理する消費電力量が増えているが、今後ますます増加することが見込まれる。そうした中、1つのデータセンターで処理しきれなくなることが考えられ、そうした場合、複数のデータセンターで分散して処理することのニーズが高まる。加えて、データセンター間接続の経済的な構築、消費電力の低減が求められている」
IOWNネットワークソリューション(400G)の概要
同ソリューションは、400Gbpsに対応した長距離伝送可能なスイッチとルータを組み合わせたもの。
ソフトウェアとハードウェアが分離されており、ネットワークOS(ソフトウェア)・ホワイトボックス装置(ハードウェア)・400G ZR/ZR+光トランシーバー(光トランシーバー)で構成されている。
島津氏は、同ソリューションの特徴として、「光電融合デバイスを搭載した光トランシーバーの搭載」「最適なホワイトボックス装置・光トランシーバーを選択可能」「伝送装置機能をスイッチとルータに集約」「豊富な機能を提供するネットワークOS搭載」を挙げた。
光電融合デバイスを搭載した光トランシーバーの搭載
島津氏は、従来のネットワークソリューションは、ソフトウェアとハードウェア一体型の装置であり、光トランシーバーとの組み合わせも限られており、その結果、ベンダーロックインが発生してコストが高止まりしていると指摘した。
そこで、IOWNネットワークソリューションは、ネットワークOSとホワイトボックス装置を組み合わせてスイッチとルータを実現し、複数のホワイトボックス装置、光トランシーバーから最適な組み合わせを選択可能としている。同ソリューションでは、富士通オプティカルコンポーネンツとNECの光トランシーバーを選択できる。島津氏は、「環境や用途に応じた製品選定により、コストを最適化できる」と述べた。
伝送装置機能をスイッチとルータに集約
加えて、長距離データセンター間接続に必要な伝送装置をスイッチとルータに集約することで、機器コストの削減、省電力化、省スペース、構築リードタイム短縮などを実現している。
島津氏は、同ソリューションのメリットについて、「できることが増えるわけではないが、機器の設置スペースが抑えられることから、今まで設置できなかったところに設置可能になる」と説明した。
また、データセンター間接続を提供しているベンダーについては、「キャリアネットワークなどの大容量の接続は、1TBに対応しているCienaを利用すると考えている。それ以下のレートで接続したいユーザーなどにIOWNソリューションを選択してもらえるのではないか」と、島津氏は述べた。
同ソリューションは9社によって、構築から保守・運用まで、ワンストップ・24時間365日トータルでサポートされる。