ピュア・ストレージは9月4日、日本のイノベーションを方向づける現在のトレンドと課題に関する調査レポートを発表した。同調査は、独立系市場調査会社のVanson Bourneの協力を得て実施したもので、1500名を対象とする大規模な調査から、日本のCIOおよびシニアITリーダー200名の回答を中心に考察を行った。
主な調査結果
同調査により、AIが将来の成長の主要な原動力として認識されている一方で、インフラの複雑さ、技術的負債、増大するエネルギー・コスト、クラウド・コストがAI活用の障壁となっていることが明らかになったという。
この点について、同社は、日本のITリーダーがサイバー脅威との戦いを最優先課題としていないという状況にも反映されていると指摘している。
日本のITリーダーが認識しているリスク
日本のITリーダーは、最大のリスクとして、「統合が不可能な複数の異種システム環境の管理負荷」を挙げた(39%)。続いて、「インフラの複雑さにより、AI をはじめとする新しいテクノロジーの活用が困難であること」「サイバー脅威」が続いている。
イノベーションとリスク管理の両立
62%のITリーダーが、相互に統合できない複雑なシステムの管理、応急処置、現在の事業の継続に多くの時間を費やしており、イノベーションに注力できていないと回答したという。
一方、85%が、予算投入において、サイバー攻撃対策よりもイノベーションを優先すると回答したとのこと。
AIに期待される役割
また、 89%のITリーダーが、AIは組織的な変革において重要な役割を果たすと認識しているほか、回答者の約4割(43%)が、所属する組織において、新しいユースケースには必ず AI の活用を検討する(AI ありきで考える)AI ファースト戦略を策定していると回答した。
主なAIのユースケースとしては、「効率性の向上と反復作業の自動化(61%)」「顧客体験のパーソナライズ(46%)」「顧客データを活用した意思決定(46%)」が挙がった。