電通グループは9月2日、日本を含む世界の主要14市場における950人のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を対象に実施した「CMO調査レポート2024」を発表した。
マーケターに求められる8つの重要課題
CMO調査レポート2024は、今回で5回目となる調査で、CMOの意識や同業他社との比較、クリエイティブやイノベーションに関する洞察を提供することを目的としたもの。調査では45の質問を通じて回答を分析し、変革を推進するための提言も行っている。
この調査が示すマーケターに求められる8つの重要課題として、第1に、変化の激しい現代では成長が難しく、CMOはコミュニケーションを超えてビジネス全体でクリエイティビティを求めており、82%がクリエイティビティが成長を促進する大きな可能性を持っていると考えていること。
第2に、ブランドは広告だけでなく、カルチャーやコンテンツを通じて新たなリーチ拡大を図る必要があり、88%のCMOがブランドが消費者の文化の一部になることが重要だと考えていること。
第3に、CMOは、現代のブランドが消費者のネットワークやパートナー、クリエイターのエコシステムで構築されていると認識しており、77%が将来のマーケティングはこれらの間でのパートナーシップによって進化すると考えていること。
第4に、製品の模倣が容易な現代では、ブランドは独自の体験を提供することで差別化を図る必要があり、75%のマーケターがすべての接点でブランドストーリーを伝える重要性を認識していること。
第5に、CMOは現在の顧客の声だけでなく、未来のトレンドや消費者のニーズを予測し対応する必要があることから、79%がデータを活用して将来の製品や価値を予測することが重要だと考えていること。
第6に、AIの成熟に伴い、CMOはAIを脅威ではなく、協力者や共同クリエイターとして再評価しています。AIが感動的なコンテンツを作れないと考えるCMOの割合は前年より減少したという。
第7に、変化が加速する中で、顧客は予算の多くをイノベーションに投資しており、79%のマーケターが予算の10%以上を、56%が20%以上をイノベーションに投資する予定とのこと。
最後に、先行きが不透明な中でマーケティングの役割は成長の推進力として重要性を増し、CMOは代理店に対して単に指示に従うのではなく、クリエイティビティを活用してビジネスの変革を支援することを期待しているようだ。70%が代理店には必要なものを提供してほしいと考えているという。