医療スタートアップのUbie(ユビー)が8月29日に発表した調査結果によると、医師の約7割が、2024年4月に施行された「医師の働き方改革」による労働時間の短縮を実感していないことが分かった。
同調査は、2024年8月9日22日の期間、全国の病院勤務医師(床20以上の病院に勤務する医師)272人を対象に実施された。
2024年4月施行の「医師の働き方改革」により労働時間が短縮されたかを聞いたところ、68.1%が「短縮されていない」と回答し、「短縮された」と感じる医師はわずか12.1%だった。医師の働き方改革施行から半年がたったものの、労働環境の改善がまだ十分に達成されていないことが示された。
「労働時間が短縮されていない」と感じる主な理由としては、52.4%の医師が「実施された対策が不十分で効果が見られない」と答えており、対策の効果が限られている現状が浮き彫りになった。
働き方改革の推進に必要なDXについての調査も実施された。医療現場のデジタル化による業務効率化が求められているが、半数の医師が「全くできていない」もしくは「あまりできていない」と感じており、「かなりできている」「非常にできている」と答えた医師はわずか2.6%だった。
具体的には「医療情報連携システム」が38.6%と最も多く導入され、次いで「スマートフォン」「診断支援AI」「問診AI」が並んだ。カテゴリー別では「情報共有」や「チーム医療への推進」での導入が多く、「作業の省力化」ではAI・生成AIが活用されている。しかし「医療情報連携システム」は約4割、それ以外はいずれも2割以下と、病院内でのDXが進んでいない現状が判明した。