パナソニック ホールディングスならびにパナソニック オペレーショナルエクセレンスは8月30日、国際宇宙ステーション(ISS)から放出された超小型衛星「CURTIS」に搭載されたパナソニック オートモーティブシステム製車載カメラの実証により得られた画像を公開した。
CURTISは、九州工業大学(九工大)との共同研究によって設計・製造された3Uサイズ(10cm×10cm×30cm)の超小型人工衛星で、ISSからの放出後はCURTISそのものの動作実証とともに、パナソニックグループにて製造販売している部品やコンポーネンツの宇宙空間での技術実証を実施してきたという。
今回公開された画像はISSから放出された20秒後にISSを撮影したもののほか、四国から東海地方にかけての日本の様子、米国東海岸のワシントンD.C.周辺の夜間画像(画像処理有)など。採用された車載カメラは、宇宙空間での技術実証にあたり、宇宙空間で必要とされる熱真空試験、振動試験、放射線照射試験などの地上での信頼性試験に合格したものを活用(動作温度範囲-30℃~+85℃)。性能としては、HDR対応260万画素CMOSセンサを活用し、ローカルトーンマッピング(局所輝度補正)技術による白飛び、黒つぶれを防止することで適正コントラストを実現したとするほか、低遅延、非圧縮の高速LVDS同軸デジタル伝送方式を採用しているという。
なお、パナソニック ホールディングスでは、今回の車載カメラを用いた宇宙空間での静止画および動画撮影の技術実証を通じて、宇宙用途として転用できる可能性を検証していきたいとしている。