英国の市場動向調査会社OMDIAによると、クラウドおよびエンタープライズ・データセンターにおけるAI用GPUやその他のアクセラレータチップ、いわゆるAI半導体の市場規模は2022年の100億ドル弱から2024年には780億ドルに成長し、2029年には最終的に1510億ドルに達すると予想されるという。

しかし、現在、猛烈な勢いで成長している同市場であるが、2026年には明確な変曲点が生じ、成長の原動力が従来の新たなテクノロジーの採用からAIアプリケーションの需要へとシフトする可能性があると指摘。それを踏まえ、成長は減速する見込みであると分析しており、今後のAI半導体市場は。つまり、AIのアプリケーション開拓がカギを握ることになろう。

  • クラウドおよびエンタープライズ/データセンタ向けAIプロセッサのタイプ別市場規模

    クラウドおよびエンタープライズ/データセンタ向けAIプロセッサのタイプ別市場規模(単位:百万ドル) (出所:OMDIA)

OMDIAのアドバンストコンピューティング担当主席アナリストであるアレクサンダー・ハロウェル氏は、「最近の最も重要な変化は、AIの成長によって推進されたデータセンタ半導体市場の上方修正である。さらに、ハイパースケーラーのカスタムチップ、特にGoogleのTPUがGPUから市場シェアを奪い始めている。これらがますます重要になると予想している」と述べているほか、「最大規模のAIモデルのサイズは2021年1月以降拡大しておらず、イノベーションの焦点はより多様な小規模モデルに移行している。また、同様のサイズのモデルが世代を重ねるごとに効率化している兆候もある。これはAIインフラストラクチャへの投資にとって逆風であるが、より多くの組織が関与できるようになり、深さで失われたものを幅で補う傾向がある。時間の経過とともに、推論の重要性はさらに高まる。ユーザーベースとアプリケーションの種類が拡大するにつれて、より多くの推論インフラストラクチャが必要になると予想される」と述べている。