KDDIは8月29日、一枚の地図上に1000種類以上の災害関連情報を重ね合わせて表示できる災害復旧支援ツールについて、自治体向けに9月27日から防災DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目的に試験提供を開始することを発表した。

多摩地域のワークショップにツールを提供

その第一弾として、東京都市長会が主催する、東京都多摩地域の全30の市町村を対象とした防災DX推進ワークショップに試験的に提供する予定。このワークショップは講義やツール活用を通して多摩地域の自治体に所属する防災担当者およびDX担当者の防災基礎知識向上を目的とするもの。

ワークショップは分散型防災データ利活用協議会の協力のもとで作成した災害シナリオに基づき実施する。KDDIは今回の試験提供を通じてツールの機能や有用性について検証する。災害復旧支援ツールは2025年度中の商用化を目指しており、活用の促進に向けて防災コンサルティングや自治体職員向けのツール活用教育などの支援活動も予定しているとのことだ。

  • ツール画面の例

    ツール画面の例

ツールの概要

今回KDDIが提供する自治体向け災害復旧支援ツールは、雨雲レーダーデータやライブカメラ映像などのリアルタイム情報に加えて、自治体独自のハザードマップデータや避難者数データといった災害関連情報を一元的に可視化できる。

Web上で地図を表示させるSVG Map技術をベースに、一つの地図に多数の情報を重ねて表示できるハイパーレイヤリング技術や、多数の情報を高速で処理できるエッジコンピューティング技術を採用して開発したとのことだ。

  • ツール開発に利用したKDDIの特許技術

    ツール開発に利用したKDDIの特許技術