フリマアプリ大手のメルカリは8月29日、越境取引を通じて台湾へ進出すると発表した。Web版「メルカリ」を通じて日本で出品された商品を台湾から購入することが可能になった。繁体字名「美露可利(メルカリ)」として展開する。
経済産業省の調査によると、2021年の世界の越境EC市場規模は7850億ドルと推計され、2030年には7兆9380億USドル(年平均成長率約26%)にまで伸長するなど、市場の大幅な拡大が予測されている。
メルカリはグローバル展開にも力を入れており、2019年から越境取引を開始。8月現在、74社の越境EC事業者と連携し、約120の国や地域のユーザーが「メルカリ」を利用できる状況だ。メルカリの越境取引事業のGMV(流通取引総額)は前年比約3.5倍に成長している。
台湾は3人に1人は訪日経験があり(日本政府観光局)など、日本の商品が受け入れられやすい市場であることから、メルカリは台湾への進出を決めた。加えて、メルカリの越境取引で台湾は取引金額・取引件数ともに中国に次ぐ2位となっており、すでに越境取引が活発な市場だという。
また、現地でのリユース品に対する需要が高まっていることも理由として挙げる。日本のリユースショップなども多く出店するなど、今後のリユース市場の成長ポテンシャルも高い市場とのことだ。
今回のサービス展開により、台湾現地のユーザー「メルカリ」に会員登録し、Web版メルカリより日本で出品された商品を購入することができるようになる。繁体字中国語のUIで、価格表示を台湾ドルにデフォルトに設定している。同社は今後も海外の顧客基盤の獲得も目指す。