TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは8月28日、データ起点のマーケティング活動を支援ができる環境として、企業が独自で収集した顧客情報であるファーストパーティーデータ(1st Party Data)を元にデータ分析と広告配信ができる「TOPPANデータクリーンルーム」を開発したことを発表した。第1弾として流通企業を対象に提供する。なお、価格は300万円(データ量や各種設計によって価格は変動)~。
「TOPPANデータクリーンルーム」の特徴
TOPPANデータクリーンルームは、同社の企業の顧客データを集約・統合するCDP(カスタマーデータプラットフォーム)の導入・構築の支援や、デジタルマーケティングの運用に不可欠なセキュリティ技術・設備を備えた「MAコマンドセンター」の開設など、さまざまな観点で企業の顧客理解や事業成長を支援してきたノウハウを踏まえたもの。
データクリーンルームとは、個人のプライバシーを保護しながら複数事業者のデータを掛け合わせる、クラウド環境のこと。第1弾のTOPPANデータクリーンルームでは、サードパーティークッキーを使用せずファーストパーティーデータを活用することで、プライバシーを保護しながら顧客の統計情報抽出・Web広告配信を可能にするほか、TOPPANグループが長年培ってきた企業のセキュリティ情報を取り扱う技術・ノウハウを駆使し、安全安心なデータの取り扱いを実現する。
第1弾として、Shufoo!ユーザーの店舗閲覧傾向データや、2021年より協業しているunerryが持つ流通などの人流データをアセットとして活用可能となり、流通企業を中心とした顧客の行動情報や、広告販促による来店・購買状況への影響などをデータとして可視化することができるようになるという。
また、可視化した結果をもとに新たな広告配信を実施することも可能。企業が自社だけでは不可能だった顧客の購買・来店傾向の分析を実現する。これにより、複数事業者間のデータを掛け合わせた流通企業の購買・来店傾向の分析や販促広告配信が可能となる。
TOPPANは、流通企業を中心に、TOPPANデータクリーンルームの提供を進め、2030年までに関連受注含め約10億円の売上を目指す方針。また、流通企業の販促活動を支援するだけでなく、今後さらにデータ接続先を拡充して、あらゆる業界・分野の効率的かつ効果的なマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートしていきたい構え。