Android Police Teamは8月26日(米国時間)、「Telegram downloads skyrocket after CEO's arrest」において、TelegramのCEOが逮捕され後、同社が提供するメッセージングアプリのダウンロード数が急増したと伝えた。このダウンロード数の急激な増加は、逮捕に対する世間の関心の高まりと関係していると見られる。
TelegramのCEO、フランスで拘束
今週末、人気メッセージングアプリ「Telegram」の創設者兼CEOであるPavel Durov氏がフランスで拘束された。月間アクティブユーザー数9億人以上を誇るこのアプリは麻薬密売の拡散、児童性的虐待資料の配布、マネーロンダリングの温床となっているとして告発されており、これらの違法行為を抑制できなかったことから拘束されたという。パリ検察庁のサイバー犯罪部門による進行中の捜査の一環として、同氏はル・ブルジェ空港で逮捕され、現在さらなる捜査のために拘留されている。
Android Police TeamはBloombergの報道を引き合いに出し、フランス政府関係者がプラットフォームの節度と協力の欠如が今回の事件の中心にあると示唆していることを指摘した。これに対しTelegram側はEU法を遵守していると強調し、「モデレーションは業界標準の範囲内であり、常に改善している」との声明を発表。
さらに、Durov氏自身も隠すことは何もないと述べており、プラットフォームやその所有者がその悪用に責任があると主張するのは馬鹿げていると反論している(参考:「Telegram CEO Pavel Durov Held Over Alleged Child Protection Failures on App - Bloomberg」)。
CEOの逮捕後、Telegramのダウンロード数が増加
TelegramのCEOの逮捕後、Telegramのダウンロード数が急増していることも明らかになった。Android Police TeamはTechCrunchの報道を引き合いに出し、同アプリが米国のApp Storeのソーシャルネットワークチャートで一時2位(現在はWhatsAppに抜かれ3位に後退)にランクインしたことを伝えている。フランス国内では依然として2位をキープしており、Google Playストアでは全無料アプリの中で9位にランクしている(参考:「Durov arrest boosts Telegram app downloads | TechCrunch」)。
このダウンロード数の急増は、Durov氏の逮捕に対する世間の関心の高まりに関連していると考えられている。また、Telegramが削除される前に、これまで利用したことがないユーザーが試してみようとしていたり、言論の自由を重視するユーザーが支持を示すためにアプリをダウンロードしていたりするのではないかと推察している。
現在もDurov氏は捜査の対象となっており、Telegramを巡る今後の動向が注目される。