物流2024年問題はドライバー不足という形で物流・運送業界に混乱をもたらしているが、業界各社は最新のDXテクノロジーで苦境を脱すべく様々なサービスの開発・提供を行っている。イオングループの物流企業イオングローバルSCMは8月26日、物流2024年問題対策としてHacobu社のトラック予約受付サービスを8月末までに同社施設で本格導入することを発表した。

バース予約受付システム「MOVO Berth」でトラックドライバーの運用効率化

トラックドライバーの時間外労働の上限規制適用に端を発する物流2024年問題は、ドライバー不足による輸送力低下などの課題をもたらした反面、いままで見過ごされてきたドライバーの負荷軽減問題にも注目が集まるようになった。イオングループでもドライバー負荷軽減のため、納品時間枠の見直し、物量平準化による車両積載率の改善、配送計画の最適化、店舗荷下ろし時のドライバー付帯作業削減等の措置を実施。加えてセンターへの納品車両の本格的な効率運用を行うため一部に導入済みだったHacobu社のトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を2024年8月末までに同社55施設に導入する。

「MOVO Berth」は、Hacobu社が提供するバース(物流センター・トラックターミナルの荷物積み下ろしスペース)の予約受付システムで、荷待ち・荷役時間を統合管理することで車両の集中を避け、荷待ち時間を削減し、情報を集積しデータ化することで効率化のための分析用データとしても活用できる。ドライバー向けにバース誘導案内をSMSで通知する「ドライバー呼出し」機能なども搭載しており、予約受付もドライバーのスマートフォンから可能だ。

イオングローバルSCMでは、「MOVO Berth」で得られた情報を使用し、荷待ち・荷降ろし時間の更なる短縮、人員配置と予約時間の最適化などを行う他、発荷主に対しては作業時間短縮のためのパレット化等の提案を行うためのデータとして活用する。Hacobu社は、2015年6月創業の物流向けアプリケーション開発・販売、コンサルティングを行うベンチャー企業。動態管理サービス「MOVO Fleet」や配送案件管理サービス「MOVO Vista」、ドライバー業務支援アプリ「MOVO Driver」を提供する。