Microsoftは8月21日(現地時間)、Windows Experience Blogの記事「Update on the Recall preview feature for Copilot+ PCs」を更新し、Copilot+ PCに搭載予定の新機能「Recall」のプレビュー版を2024年10月から提供開始すると発表した。
当初、Recallは2024年6月発売のCopilot+ PCに搭載される予定だったが、セキュリティ上の懸念が浮上したために搭載は延期となり、リリース前にWindows Insiderプログラムでユーザーからのフィードバックを募ると予告していた。
セキュリティの懸念を払拭できるか?
Recallは当初、AIに最適化した新世代のPC「Copilot+ PC」における目玉機能の一つとして発表された。この機能を使用すると、ユーザーは古いメッセージや閲覧したWebサイトなど、過去の自身のアクティビティを簡単に見つけて再現できるようになる。
ただし、WindowsはRecallの実現のためにユーザーがPC上で行ったすべての操作や表示された情報をデータベースに保存する。そのため、ユーザーは個人情報や機密情報の保護という観点では大きなリスクを抱えてしまうことになる。
Microsoftは多くの専門家やユーザーからの懸念の声を受けて、6月13日にRecallの提供を延期すると発表した。その際に、数週間以内にWindows Insiderプログラムでプレビュー版を試用できるようにすると約束していた(参考記事:MicrosoftがRecallの展開延期、6月18日発売のCopilot+ PCには搭載せず | TECH+(テックプラス))。今回の発表で、その開始時期はさらに遅くなることが明らかになった形だ。
Recallの提供時期がさらに延期された詳しい理由は言及されていないが、同社はセキュリティが引き続き最優先事項であるという点を強調している。そのために、正式リリースの前にWindows Insiderコミュニティが持つ専門知識を活用する方針。より詳細な説明は、10月にRecallがWindows Insiderプログラムに登場する際に明らかにされるようだ。
本稿執筆時点では、Recallの正式リリースがいつになる予定なのかは明らかになっていない。しかし、テストユーザーからのフィードバックを集めて対応を行う期間を考えると、2024年内の提供は難しくなってきたかもしれない。いずれにせよ、Recallをユーザーに届けるために、Microsoftはセキュリティの懸念を完全に払拭する必要があり、それにはもうしばらく時間が必要なようだ。