パナソニックエレクトリックワークス(パナソニックEW)は8月21日、無線で照明の調光や調色などが可能な新無線照明制御システムを11月1日から展開開始するにあたり、照明を軸とした空間提案・ソリューション提案事業の説明会を実施した。
事業コンセプト「光は、心を動かす」を実現するために
最初に登壇したライティング事業部 ライフスタイルライティングBU BU長の山中直氏は、ライフスタイルライティングBUの目指す姿として「心の豊かさとエコの両立」を挙げるとともに、事業コンセプトである「光は、心を動かす」という言葉を説明した。
「私たちは、機能価値のみならず、感性価値を伴った空間の提供を目指していきます。感性価値向上のために『光は、心を動かす』という事業コンセプトの下でWell-Bingに取り組んでいきます」(山中氏)
同氏は、事業成長の方向性として「照明の付加価値を高め事業成長を目指す」ことを挙げており、現在進めている、少ないエネルギーで明るく照らすことで製品の価値向上を目指す「単品価値」ではなく、Well-Bing・空間演出を進める「空間感性価値」や屋内位置情報のインフラとしての「ソリューション」としての面を成長させていきたい構えだという。
今回の説明会では、空間感性価値を提供している「メリハリ照明」とソリューションとしての価値を提供する「LiBecoM(リベコム)」の2つが紹介された。
「メリハリ照明」で従業員の満足度アップ
今回紹介された、メリハリ照明は、必要な部分を必要な分だけ照らし、空間価値を高め・省エネにも貢献する照明手法のこと。
下の写真のように、「作業面は十分に明るく、周辺面は程よく明るい」というメリハリを付けた照明の設置方法を取ることで、電力を大幅に削減できる。蛍光灯からLEDに変更してメリハリ照明にすることで60%の電力削減、元々LEDという場合でも30%の削減になるという。
製品導入のメリットとしては、「従業員の満足度アップ」と「電気代の削減」の2つが挙げられており、特に従業員の満足度に関しては、集中力向上/リラックス向上/コミュニケーション向上など、働き手の意欲を掻き立てるさまざまな効果が期待できるという。
快適さと省エネを実現する「LiBecoM」
LiBecoMは、調光と調色の活用で「快適さ」と「省エネ」を実現する新しい無線照明制御システム。照明にビーコンを搭載することで天井からビーコン信号の発信を可能にし、机や棚といった什器へのビーコン設置が不要となる製品で、用途・空間に合わせた最適な光の色や明るさで演出と省エネを実現することができる。
光色の調光に関しては1%~100%、調色は色温度2700~6500ケルビン、カラーは336色用意されており、最適なものを選択することができる。
同製品を活用し、商空間においては、購買意欲を高める演出や季節に合わせた演出などを生み出し、オフィスにおいては心地よい空間の中でも省エネを実現することができるという。
LiBecoMを活用するメリットとしては、「照明の給電を使えるので(バッテリー式で必要だった)電池交換の手間がいらない」「天井は電波の遮蔽物が少ないため高品質な位置情報サービスが提供できる」という2点が挙げられている。
サービス内容や対象市場については、11月にLiBecoMが発売された後に随時拡大していく予定となっており、店舗の誘客向上・オフィスの利便性向上・工場の生産性向上・病院の働き方改革などについても2024度中に拡大していきたい予定。
最後に、ライティング事業部 綜合企画室 照明立地活用プロジェクト 課長の田上直紀氏は「今後は、幅広い市場に提案する照明制御の次期定番アイテムであるLiBecoMで、照明が屋内位置情報のインフラになることを目指したい」と今後の展望を述べた。
同社はこれまで豊富な製品ラインアップを活かし、より省エネで快適な空間提案を行ってきた。今後、LiBecoMを展開していくことで、よりソリューション提案型の事業展開を進めていく構え。