KDDIは8月20日、個人向けに小売りやサービスを提供するリテール業界が抱える課題解決を支援するため、同社が保有する位置情報データやサービス利用状況から推定した興味関心データと、顧客企業が保有する店舗売上および会員情報などのデータを組み合わせてダッシュボード化する、店舗開発ソリューション「KDDI Retail Data Consulting」の提供を開始することを発表した。
このソリューションでは、新店舗の出店候補地を分析して商材への関心の高さや競合商圏との重複度合いなどを可視化する「店舗開発支援パック」、類似店舗のデータを基に新店舗の売上予測を支援する「売上予測支援パック」など、計5種類のパックを展開する。
ソリューション提供の背景
リテール業界においては、消費者ニーズの多様化や慢性的な人手不足への対応が求められている。また、昨今では都市開発やワークスタイルの変革に対し、急激な人流の変化に対応する需要把握が重要とされる。その解決策の一つとして、データ活用による商品・サービスの効率化や、新たな購買体験による需要喚起が期待される。
従来は一般的に、位置情報を基に人流を把握し店舗の効率化を図るサービスなどが提供されてきた。しかし、「ある店舗周辺では午前中に人が多い」のように、単純な人流の多寡から得られる示唆は限定的であり課題となっていた。
これに対し同社は今回、位置情報データに加えてKDDIが保有する決済データやEC・エンタメコンテンツなどのサービス利用状況データを組み合わせることにより、顧客特性と行動傾向をより詳細に可視化できるソリューションを提供する。
また、近隣の競合店舗の場所なども一元的に把握できるため、例えば「ある店舗周辺では旅行に関心の高い人が午前中に多いが、近隣に旅行代理店は出店していない」など、高度なデータ分析を効率的に実施できるようになるという。