大日本印刷(以下、DNP)とレノボ・ジャパンは8月19日、静岡県の「令和6年度バーチャルスクール構築等業務委託」に採択され、県内の不登校の児童および生徒に居場所と学びの場を3Dメタバースで提供することを発表した。
両社は2025年1月より、県内全35自治体の約800校を対象として、不登校の児童・生徒に3Dメタバースを活用した居場所と学びの場の提供を開始。児童・生徒が社会とつながる空間としてのメタバースを目指し、オンライン支援員やWeb学習コンテンツなどの体験活動を通じて学びの選択肢を増やすことを支援する。
バーチャルスクールの運用開始の背景と特長
静岡県教育委員会は公立学校に通う県内在住の不登校の児童・生徒約9400人(2022年度)に向けて、市町教育支援センターやフリースクール関係者らが家庭などから参加できるバーチャルスクールを構築し、運用を開始する。このスクールでは、3Dメタバース内でオンラインによる「交流」「学習」「体験」の三つのキーワードで、児童や生徒に学びの場を提供するという。
GIGA端末でも動く3Dメタバース
今回提供する3Dメタバースは、文部科学省が推進するGIGAスクール構想で使う情報端末からでもWebブラウザで快適に動くという。空間への没入感が高い3Dメタバースによって、児童・生徒の参加意欲の向上を図る。また児童・生徒は、自分の分身となるアバターを40種類の中から自由に選び動作させることで、豊かな感情を表現できるとのことだ。
用途に応じた場を設けオンライン支援員がサポート
学習用、おしゃべり用、展示用など用途に応じたさまざまな場を3Dメタバース内に設ける。例えば、面談用の場としては、周囲に音や会話が聞こえないプライベート空間を設置する。それぞれの場ではオンライン支援員が児童・生徒に寄り添う。