【総務省】LINEヤフーが韓国親会社との資本関係見直し 「短期的には困難」と報告

無料対話アプリ「LINE」の利用者の個人情報流出を受け、総務省がLINEヤフーに出資する韓国IT大手ネイバーとの資本関係見直しを求めていた問題で、LINEヤフーは総務省に対し「短期的な資本の移動には困難が伴うとの認識に至っている」と報告した。松本剛明総務相は「資本的な関係見直し自体が目的ではない」として、一定の理解を示した。

 LINEヤフーの個人情報流出をめぐっては、総務省が3月と4月、異例の2度にわたる行政指導を実施。特に4月の指導では「ネイバーとの関係見直しが不十分だ」として、資本関係の再構築を含めた再発防止策を7月1日までに報告するよう求めていた。

 今回の報告書では、不正アクセスを受けたネイバーのシステムとの分離を2026年3月末に前倒しで完了させる方針を盛り込んだほか、国内のサービス開発業務に関するネイバーへの委託についても、25年12月末までに終える目標を示した。

 松本剛明総務相は今回の再発防止策について「具体的な取り組み内容が示され、評価できる」と説明。その上で、「履行状況を注視していくとともに、さらなる取り組み余地がないかを確認していく」と強調している。

 LINEヤフーの親会社には、ネイバーとソフトバンクが折半出資。両社はソフトバンクによる出資比率引き上げを目指し協議を進め、「両社ともに協力的に対応している」(LINEヤフー)とみられていた。

 ただ、前回の指導の後、韓国国内で野党が「日本がLINEを奪おうとしている」などと反日感情を煽り、韓国政府高官も「韓国企業への差別的措置や意思に反する不当な処遇には断固として対応する」と表明。日韓首脳会談でも議題に上がる事態となっていた。ネイバーの労働組合からも反発が出ており、資本関係の見直し自体が頓挫する可能性もある。

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