AI CROSSは8月16日、ヴェリタス・インベストメントにおいて、AI予測分析サービス「Deep Predictor」を用いた架電業務の効率化を目的とした実証実験を実施し、不動産業界におけるアウトバウンドコールの業務負担を軽減する可能性を確認したと発表した。
実証実験の背景
近年、企業における電話の営業業務は労力と時間を要する一方で、効果が必ずしも高くないことが多く、効率的な業務運営の妨げとなっているという。
特に不動産業界では、膨大な顧客リストに対する電話による営業活動が日常的に行われており、負担は無視できないものとなり、AIを用いた営業効率の改善が求められているとのこと。
ヴェリタス・インベストメントでは、数千件に及ぶ既存顧客を追客するために、多大な電話による営業活動が必要となっており、業務の負担は営業チームにとっても課題となっていた。
そこで、AICROSSが提供するAI予測分析サービス「Deep Predictor」を用いて、顧客リストに対する過去の架電履歴をAIに学習させることで、次の架電で電話に出る確率が高い顧客をランキング付けし、架電の優先度を明確にする取り組みを実施。
AIが事前に、電話に出る確率が高い顧客、電話しても出る確率が低い顧客を予測することで、架電の無駄をなくし、効率的に顧客にアプローチを行うことを狙った。
実証実験の結果
実証実験では、2024年6月~7月の期間でヴェリタス・インベストメントが保有している顧客リストを対象に、従来の方法で基準なく選ばれた架電リストと、AIが電話に出る確率が高いと予測しランキング付けした架電リストの2つのリストを作成。各リストに対してABテスト形式で実際に架電を行い、AI導入の効果を測定(約500件の顧客リストに架電)した。
実証項目は電話応答率の変化となり、結果として従来の架電リストの電話応答率が7.1%に対し、AIがランキング付けした架電リストでは29.8%まで改善し、約4.2倍の効果を確認した。
今回の取り組みにより、AIを用いて既存顧客リストから電話に出る確率の高い人を特定できることを確認し、今後はメッセージングサービスと組み合わせ、AIによるDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速と架電業務の最適化を図る考えだ。