Preferred Networks(以下略、PFN)は8月7日、グループ企業Preferred Elements(以下略、PFE)が独自に開発したLLM(大規模言語モデル)「PLaMo(プラモ)」のβ版を期間限定で無料利用できるトライアルAPIとして公開することを発表。専用フォームから申し込みを受け付け、8月9日以降順次アカウントの発行を行う。

既存モデルをベースとしない独自の仕様のLLM「PLaMo-100B」がベースのβ版

「PLaMo」は、PFEがマルチモーダル基盤モデルにセンサー値や分子構造など専門データ用の特化型基盤モデルを組み合わせて開発した言語処理だけに留まらない社会・産業の共通基盤として運用することを目標に開発された生成AI基盤モデル。同モデルは現在、日本の生成AI基盤モデル開発力向上プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」において、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」で採用され、「PLaMo-100B」として開発が進められている。

「PLaMo-100B」は、既存モデルをベースとしない独自の仕様で開発されており、1000億パラメータのマルチモーダル基盤を持ち、2兆トークンの日本語と英語のテキストデータを事前学習させており、標準的な日本語性能評価ベンチマーク「Jaster(ジェーアスター)」の「0-shot」と「4-shots」で、国内外の主要LLM以上、GPT-4とほぼ同等の日本語性能評価を受けている。

  • 「Jaster」の「0-shot」と「4-shots」での「PLaMo-100B」の2024年8月5日時点における社内評価数値(その他はGENIAC内での評価数値)(同社資料より)

今回、無料公開される「PLaMo」β版は「PLaMo-100B」に指示学習やモデルマージを行い日本語・英語の文章生成能力を強化したもので、利用はWebサイトの専用フォームより申し込みを行う。アカウントは2024年8月9日以降に順次発行される。詳細はWebサイトで確認できる。

PFNでは、今回の無料トライアルの検証結果とフィードバックをもとに機能改善、追加学習などを行うと共に、グループをあげて製造業、素材産業、医療、金融、自治体など各分野で専門性の高いLLMとして「PLaMo」の機能強化と安全性の検証を行い、商用版「PLaMo 1.0 Prime(プライム)」として今秋リリースを目指し開発を進めるという。