両備システムズは8月6日、多要素認証(MFA)セキュリティ製品「ARCACLAVIS NEXT(アルカクラヴィス ネクスト)」をLGWAN-ASPサービスとして全国の地方公共団体に提供を開始した。なお、初のユーザとなる大阪府吹田市ではLGWAN接続系端末約3200台、端末利用する職員約3800人の規模で顔認証を利用した多要素認証を2024年4月から段階的に運用を開始しているという。

LGWAN-ASPとは?

ARCACLAVISシリーズは1998年の販売を開始し、官公庁や地方自治体、学校などの公共団体をはじめ、個人情報を含む機微な情報を取り扱う一般企業、医療機関、製造業、金融機関などを中心に導入している。

LGWAN(総合行政ネットワーク)は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営する自治体間を相互につなげる行政機関専用のネットワーク。同ネットワークを通じて地方公共団体にサービスを提供するLGWAN-ASPは、自治体間でサービスの共同利用を可能としている。

現在、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン、さらにガイドラインでふまえられているテレワークにおけるセキュリティ要件では、情報システム全体の安全性向上を目的としてマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系の端末への多要素認証の導入が求められている。

「ARCACLAVIS NEXT」の概要

同社が開発・提供する認証セキュリティソリューションARCACLAVISシリーズは、これらのガイドラインに対応する多要素認証として、これまでオンプレミスで135団体への導入実績を持つ。

ARCACLAVIS NEXTは、パスワードによる認証にICカード認証、顔認証などの生体認証を組み合わせることで本人認証し、1台のPCを共有して利用する際は「職員はICカード認証、臨時職員は顔認証で利用」といった認証方法の使い分けが可能。

認証ログにより、共有のWindowsアカウントでも実際の端末利用者の特定できるほか、Active Directoryと連携して認証システムのアカウント作成・削除を自動化することもできる。

LGWAN-ASPサービスとして、ARCACLAVIS NEXTを提供することで、従来のオンプレミスによる個別のシステム環境構築の場合に比べ、導入と環境維持にかかる工数、費用、期間を削減できるという。

また、マイナンバー利用事務系と比較し、端末数の多いLGWAN接続系でも、容易に導入・利用することが可能となっている。