日販グループホールディングスのグループ会社である日本出版販売は8月6日、日清紡ホールディングスと、年中新鮮ないちごを収穫できる植物工場をコンパクトなパッケージとして生活空間に提供する「City Farming」事業について、同月5日に業務提携契約を締結したことを発表した。
業務提携の背景
City Farmingは、「文喫」や「箱根本箱」などのさまざまな場づくりを手掛けてきた日販が事業開発を担い、完全制御型植物工場で国内初となるいちご量産栽培に成功した日清紡が技術開発を行うもの。
2022年8月に実証実験を開始し、日販グループ内の施設に導入、2023年4月からは社会実装を進めていく中で、オフィス・高齢者施設・商業施設といった生活空間へ導入を広げ、供給体制の確立を図ってきた。
実証実験開始から約2年で、顧客ニーズの確認と、設備の量産および供給体制、サービス提供体制が構築できたことにより、今回、事業を一層加速させていくことを目的に、日清紡と業務提携契約を締結するに至ったという。
今後は、City Farmingを活かした公共空間やまちづくりにつなげる動きも進め、日販として2026年までに1500台、20億円の事業に成長させることを目指す構え。
City Farmingの特徴
City Farmingの特徴としては「年間を通して、毎日新鮮ないちごが収穫できる植物工場パッケージを提供する」「誰もが安心してCity Farmingを体験できるようサポートを提供する」「コンパクトサイズで、100Vのコンセントがあれば導入可能」「継続的な栽培を可能にするため光源・温度管理・液肥循環などを自動で制御する」といった内容が挙げられている。
また、サービス内容としてはレンタル・購入の両パターンに対応して「City Farming設備の提供」、いちごの苗の提供と専門スタッフが日々の栽培をサポートする「栽培サポート」、オプションメニューである「空間プロデュース」の3つが用意されている。
City Farmingの技術開発を担う日清紡では、植物工場でのいちご栽培事業のさまざまな可能性を視野に、栽培設備や栽培方法、栽培環境を完全コントロールする植物工場のさらなるスマート化を進めている。
今後は、顧客が安定したいちご栽培を行えるよう、日清紡に栽培遠隔監視システム開発を依頼し、日販が顧客の栽培を遠隔監視する体制を検討しているという。