パナソニック コネクト傘下で供給網管理システムを手掛ける米Blue Yonderは8月1日(現地時間)、同業の米One Networkを約8億3900万ドル(約1280億円)で買収完了したと発表した。
One Networkは、原材料からラストマイルの配送まで供給網に関わるさまざまなデータを共有するプラットフォームを手掛ける。Blue Yonderの買収としては過去最大の規模になる。
同社はこれまで、2023年10月に物流システム開発の英Doddle、2024年2月に製造業向けの生産・輸送計画システム開発の独flexisの買収を発表した(いずれも買収額は非公表)。Blue Yonderは、これらの買収を通じて、供給網の川上から川下まで、すべての領域を効率化するシステムの開発につなげる。
Blue YonderはAIによる需要予測などをもとに顧客企業の供給網を見直し、収益改善につなげる事業を展開している。米Walmartや英Unileverなど3800社の顧客企業があり、1万件の供給網を支援している。23年3月期の売上高は約12億ドル(約1700億円)だった。
一方、2002年に創業したOne Networkは供給網に関わるデータを管理するシステムを手掛け、米国を中心に15万社以上の顧客企業を抱える。2023年の売上高は約8400万ドルだった。
Blue Yonderは両社のシステムを組み合わせ、さらなる供給網の効率化をめざす。具体的には、生成AIといった最新技術を活用して顧客が注文・計画フェーズから実行フェーズに即座に移行できるような環境を構築する。注文入力から取引を開始するまでのタイムラグ短縮につなげる。
2024年3月の記者会見で、パナソニック コネクト プレジデント CEOの樋口泰行氏は「今回の買収により、Blue Yonderは圧倒的なゲームチェンジャーになる」と強調していた。