新コスモス電機は7月31日、半導体工場向けガス検知警報装置用となる新たなコスモス式ガス検知部「PS-8シリーズ」を発売したと発表した。

  • コスモス式ガス検知部「PS-8」

    コスモス式ガス検知部「PS-8」のメインユニット。サブユニットや拡張ユニットを追加することで、必要なガス種を必要な分だけ増設できる (出所:新コスモス電機)

半導体製造工場では製造工程において、人体に危険な特性を持つさまざまなガスを扱っているため、多数のガス検知警報装置の設置が必要となるなど、ガスに関する法規制に基づき、定期的なガス漏えい検知警報設備の校正などが求められている。こうした現場における校正の手間などをできるだけ省力化することを目的としたコスモス式を同社はいち早く採用。半導体工場向けガス検知部として1997年に「PS-6」を、2003年にはPS-8の前身機種となる「PS-7」を開発し、これまで国内外の多くの半導体工場でも使われてきたという。

同製品は、そうした従来の特徴を活かしながら、顧客のニーズに合わせてカスタマイズできることを目指して開発された次世代ガス検知部で、トレンドグラフや履歴などを表示可能な大型液晶画面が付いたメインユニットにサブユニットや拡張ユニットを追加することで、顧客が必要なガス種を必要な分だけ増設できる仕組みを採用。これにより、顧客のニーズに応じたフレキシブルな監視を可能としたとする。

また、ガス検知部のコアとなるガスセンサには、独自の熱線型半導体式センサを採用することで、SiH4(シラン)の高感度検知を実現したとするほか、従来の水素化物の検知に用いられていた電気化学式センサではセンサ寿命は1年程度であったところを、最長5年に長寿命化することにも成功したという(対応バージョンは近日、発売を予定しているとする)。センサの長寿命化によりガスセンサユニットの交換周期を延ばすことができるようになるため、ランニングコストの削減も図ることができるようになるともしている。

このほか、新たにPoEに対応したことで、LANケーブル1本でPLCとの接続が可能となり、従来必要となった変換器なども不要にできることから、現場での接続性などのユーザビリティも向上したと同社では説明している。