パナソニック ホールディングス(HD)傘下でシステム開発を手掛けるパナソニック コネクトは7月31日、プロジェクター事業をオリックスに売却すると発表した。戦略資本提携を結び、オリックスが80%、パナソニック コネクトが20%の株式を保有する新会社を2025年4月1日に設立する予定だ。
譲渡価額は1185億円。パナソニック コネクトは、供給網管理システムといった投資領域に充てるとしている。プロジェクター事業の2023年度の売上高は約770億円だった。なお、資本提携後もパナソニックブランドは継続する予定で、新会社も当面の間パナソニックを冠した社名が付けられる。
パナソニックのプロジェクター事業は、1975年にCRTプロジェクターを商品化して以来、独自のデバイス制御技術を生かした多くの製品を発売してきた。一方、昨今の市場では、ハードウェアに加えソフトウェアの重要性がさらに増しており、没入型テクノロジーなどの応用技術の台頭により、厳しい競争環境になっているという。
パナソニック コネクトは、同提携により、同社が持つ技術力および顧客基盤と、オリックスが持つ投資力や製造業や大企業を含む多数の企業への事業投資を通じて培った経験を組み合わせ、さらなる事業成長につなげたい考えだ。ハードウェアへの継続的な技術開発投資に加え、グローバルでの戦略的アライアンス構築など、非連続的な成長戦略を実行していくとのことだ。
今後の海外事業については、北米、欧州、中国、オーストラリア、シンガポールなどの販売機能を継承した新たな会社・支店を設立し、新会社の子会社とする予定。