Intelは7月25日(米国時間)、Micron Technologyの技術開発担当シニア・バイスプレジデント(SVP)であったナガ・チャンドラセカラン(Naga Chandrasekaran)氏が、Intelの最高グローバル業務執行責任者(COO)、ファウンドリ製造およびサプライチェーン組織担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)兼ゼネラルマネージャー(GM)に8月12日付で就任すると発表した。同氏は同日付けでIntelに入社し、CEO のPat Gelsinger氏に直属する形で経営チームのメンバーとなる予定である。
Chandrasekaran氏は、前工程、後工程、戦略計画、企業品質保証、サプライチェーンなど、Intel Foundryの製造業務を担当することになるとIntelは説明しており、これまで同社のEVP兼COOとしてIntel Foundryの経営にあたってきたキーバン・エスファルジャニ(Keyvan Esfarjani)氏の後任という位置付けで、Esfarjani氏は退職を前提に、スムーズな移行のために年末まで社内に留まるとしている。
Intelは、5月にもIntel FoundryのSVP兼GMに、Marvell Technologyのカスタム、コンピューティング、ストレージグループのハードウェアエンジニアリング担当SVPだったケビン・オバックリー(Kevin O'Buckley)氏を任命している(前任者のスチュアート・パン(Stuart Pann)氏は5月末に退職)。
Intel Foundryの新たな運営体制
今後、Intel Foundryの運営は、技術開発担当EVP兼GMのアン・ケレハー(Ann Kelleher)氏、最高財務責任者(CFO)のロレンゾ・フローレス(Lorenzo Flores)氏、EVP兼GMに8月に就任するChandrasekaran氏、5月にSVP兼GMゼネに就任したばかりのO'Buckley氏の4人が緊密に連携してあたることになるとIntelは説明している。
Intel Foundryは、営業損失の計上が続いていることに加え、TSMCへのIntelとしての製造委託が増えるなど、しばらくは厳しい経営状態が続くことが予想されている。そういった意味では、現在のIntel Foundryは、Gelsinger CEOの思い描くAI時代の新しいシステムファウンドリのイメージ通りにはなっていないと言える。今回、立て続けに新たに就任した2人の人材は、ともにファウンドリビジネスの経験がない。そうした人物たちが、どのように手腕を発揮してIntel Foundryを立て直して黒字化を図るのか、今後の動向が注目される。