仏Yole Groupの半導体市場調査子会社Yole IntelligenceがCMOSイメージセンサ(CIS)市場調査レポートの最新版「Status of the CMOS Image Sensor Industry 2024」を発行した。それによると、2023年のCIS市場は、前年比2.3%増の217億9000万ドルとなったという。
同社によると、CIS市場は2023年から2029年まで年平均成長率(CAGR)4.7%で成長し、2029年には286億ドル規模に成長する見込みだという。また、出荷台数についても2023年の68億ユニットから2029年には86億ユニットに増加すると予測しているほか、平均販売価格(ASP)も2022年に3ドルを超えて以降、3ドル以上で推移する見込みだという。
車載向けはCAGR5.4%で成長
応用分野別に市場成長率を見ると、最大市場のモバイル/コンシューマはCAGR3.6%で、2029年に202億3600万ドルとなる見込み。2番手の産業分野は同9.5%で、2029年には40億8800万ドルと予測されている。また、注目の車載分野はCAGR5.4%で、2023年の23億ドルから2029年には32億ドルへと成長が期待されるとしている。
ソニーが企業別シェアを45%まで拡大
企業別シェアのトップはソニーセミコンダクタソリューションズで、前年比3ポイント増の45%で首位を堅持した。2位は19%でSamsung Electronics、3位は11%でOmniVision、4位は6%でonsemi、5位は5%のSTMicroelectronics、6位に4%のSK hynix、7位に3%のGalaxycoreと続いている。
技術イノベーションが後押しするCISの進化
CIS業界は、製品価値を高めることに注力しており、低照度性能、データ管理、コンパクト性、低消費電力などが重視されている。ソニーのトリプルスタックセンサが広く採用されるようになってきているほか、Propheseeなどのスタートアップ企業への投資も活発に行われている。また、新たなメタサーフェス技術により、バイオメトリクス、視線追跡、ロボット工学向けの製品のコンパクト性とパフォーマンスなどが期待されているほか、SWIR(短波長赤外線)イメージングがコンシューマや車載市場で関心を集めている。こうした技術の拡がりから、Yoleでは、X線、UV、SWIR、偏光、マルチスペクトルイメージングに拡大するにつれて、イメージングからセンシングへの移行が進むとしており、これら新規技術が2020年代後半にかけて花開いてくることが期待されるとしている。