日揮ホールディングス、神奈川県、エネコートテクノロジーズの3者は7月29日、「脱炭素化促進のためのペロブスカイト太陽電池の普及に関する連携協定」に基づく取り組みの一環として、神奈川県藤沢市江の島「サムエル・コッキング苑」にてペロブスカイト太陽電池の早期実用化に向けた実証試験を開始したことに併せて、同日、開始式となる「ペロブスカイト太陽電池実証開始式in江の島」を開催したことを発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、薄型かつ軽量、柔軟に曲がるなどの特性を持ち、従来のシリコン型太陽電池と同様の発電効率を持ちながら、従来のシリコン型太陽電池では設置が難しかった、建物の壁面や曲面、耐荷重の小さい屋根などの建物への設置が可能となることから、次世代型太陽電池として期待されている。
3者は、2023年12月に同連携協定を締結して以降、これまで神奈川県内の脱炭素化に向けて実証場所の選定や実証方法について検討を重ねてきており、今回、江の島のシーキャンドルに近いサムエル・コッキング苑内にあるサムエル・コッキング温室遺構 展示体験棟において、ペロブスカイト太陽電池の実証試験を7月29日から約1年間かけて実施することを決定したという。
実証試験の主な目的としては、既存建築物への後付けを行う実証に連携する形で取り組むとともに、「薄い・軽い・曲げられる」といったペロブスカイト太陽電池の特徴や、日揮がもつ簡易・安価リプレースが可能な工法技術である「シート工法」により、これまで太陽光発電の設置が困難だった場所にも簡易に設置できる点などを広く情報発信することで、ペロブスカイト太陽電池の普及を図ることを挙げている。
同日開催された実証開始式には、日揮の代表取締役社長執行役員である山口康春氏、神奈川県の黒岩祐治知事、エネコートテクノロジーズ 代表取締役の加藤尚哉氏などが出席し、シート工法によるペロブスカイト太陽電池の取り付けデモンストレーションや点灯式なども行われた。
なお、3者は今後もペロブスカイト太陽電池の社会実装の早期実現に向けた取り組みを推進していきたいとしている。