建物別災害リスク診断サービス「防火管理AI診断」を展開するWAVE1は7月30日、三井住友海上火災保険と協力し、WAVE1の災害リスク診断を利用する顧客に対して火災保険や安否確認サービス、非常用防災グッズなどの防災ソリューションを提供することを発表した。
防火管理AI診断の概要
防火管理AI診断は、マンションやオフィスビル、工場などの消防設備点検が必要な建物について、建物固有の防火防災力をスコア化する診断サービス。
従来、消防設備の不具合状況に応じた改修プランや改修コストを提案してきたが、今回の三井住友海上との協業により、防災対策を提案するとともに、火災保険のみならず、建物固有の災害リスクに対する備えとしての適切な防災ソリューションの提案も開始する。
年2回の法定点検が義務づけられている建物のコンプライアンス状況を対外的に明示するだけでなく、より踏み込んで法定以上の防災力を有することを発信することが可能となる。
また、診断結果に基づくBCP(事業継続計画)策定についてのアドバイスや、診断結果を改善するためのコンサルティングなど、各建物の利用状況に合わせた提案を行う。
加えて、三井住友海上が提供している、保険本来の事故発生時の補償に加えてその前後の予防とリカバリーを支援する「補償前後のソリューション」の提案も開始する。
協業の背景
なお、防火管理AI診断と三井住友海上の協業が進められた背景として、火災による大きな損害があることを挙げている。
倉庫や工場などの事業所で火災が発生すると、消防法令に基づく罰則が厳しく適用され、経営者に大きな責任が課せられるうえ、事業再開や信頼の回復には時間がかかり被害は直接的な範囲にとどまらないという。
一方で、災害リスクを把握する合理的な手法が存在せず、建物固有の災害リスクに対応する防災ソリューションを選定する仕組みも不足し、これらの課題を解決するため両社の協業に至った。