KDDIは7月29日、グループ人権方針の中で掲げる重要人権課題「安全で働きやすい労働環境の整備」に対する取り組みを強化するため、「KDDIグループカスタマーハラスメントに対する方針」を策定したと発表。この方針では、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づきカスタマーハラスメントに該当する行為を定義した。

同社は「お客さまに一番身近に感じてもらえる会社」を目指し、さまざまな接点で寄せられる意見や要望を大切にしているという。しかしその一方で、電話対応を行う「お客さまセンター」や実店舗の「au Style / auショップ」、企業での法人対応などの一部で、暴言や過剰な要求といった社会通念から逸脱した行為が見受けられるそうだ。

これに対し同社は、従業員の心身の健康と安全を守ることがユーザーの期待に応え今後のより良いサービス・商品を提供するために重要だとして、カスタマーハラスメントに該当する行為に対しては毅然とした対応を講じる方針。ユーザーと従業員の双方を大切にする環境づくりに取り組むとしている。

KDDIグループ カスタマーハラスメントに対する基本方針

はじめに
私たち、KDDIグループ(以下 当社グループ)は、「お客さまの信頼に応えるサービスの提供」を行動指針とし、また、「お客さまに一番身近に感じてもらえる会社」を目指しております。
当社グループは、お客さまから頂戴する貴重なご意見やご要望を真摯に受け止め、お客さまにご満足いただけるサービス・商品の提供に取り組んでいます。その中で、一部ではございますが、当社グループおよび委託先企業の従業員(以下 従業員など)に対する暴言や不当な要求などが見受けられる実情を踏まえ、従業員などの人権を尊重し、従業員などの安全な就業環境を確保することが重要であると捉え、当社グループは、「KDDIグループカスタマーハラスメントに対する方針」を策定いたしました。
カスタマーハラスメントに適切に対応することが、引き続きお客さまの期待に応え、よりよいサービス・商品を提供するためにも重要であると考えておりますので、皆様のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

当社グループのカスタマーハラスメントの定義
当社グループにおいては、厚生労働省による「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、従業員などに対するお客さまからのクレーム・言動のうち、「当該クレーム・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、従業員などの就業環境が害されるもの」を「カスタマーハラスメント」と定義いたします。
当社グループは、お客さまから頂戴する貴重なご意見やご要望につきましては真摯に受け止め、お客さまにご満足いただけるサービス・商品の提供に取り組んで参ります。他方で、カスタマーハラスメントと判断される言動が認められた場合は、毅然とした対応を行います。

カスタマーハラスメントとなる行為
下記の記載は例示であり、これらに限るものではございません。
・従業員などに対する身体的な攻撃(暴行、傷害)および精神的な攻撃(脅迫、威嚇、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、人格を否定する言動、威圧的な言動)
・従業員などに対するセクシュアルハラスメント、ストーカー行為・言動および差別的な言動
・電話や売り場での長時間拘束、継続的・執拗な問い合わせ、不退去、居座りおよび同じ・要望やお問い合わせの過剰な繰り返し
・従業員など個人に対する攻撃や要求
・従業員などに対するSNSやインターネット上の誹謗中傷および従業員などのプライバシーを侵害する行為
・従業員などや当社グループ関連施設・業務スペースを無断で撮影、録画する行為並びに会話を録音する行為
・当社グループ又は従業員などの信用を毀損させる行為
・当社グループ関連施設・業務スペースへの許可のない立ち入りおよび許可、アポイントのない当社オフィスへの来訪
・合理的理由のない対面での対応要求
・合理的理由のない謝罪要求(土下座など)や従業員などへの処罰の要求
・社会通念上、不相当なサービス提供の要求
・規約範囲を超えた返金/返品や補償の要求

カスタマーハラスメントへの対応
当社グループがカスタマーハラスメントに該当する言動があったと判断した場合、サービス・商品の提供、カスタマーサポートの対応などをお断りさせていただくことがございます。また、当社グループが悪質な行為と判断した場合は、警察・弁護士などと連携し、法的措置なども含め厳正に対応いたします。

カスタマーハラスメント対策に関する主な取り組み
当社グループでは、カスタマーハラスメントが発生した場合に迅速かつ適切な対応が行えるよう、必要に応じて以下のような取り組みを実施します。
・従業員などのための相談対応体制および外部関係機関(弁護士、警察など)との連携体制の整備
・カスタマーハラスメントへの対応方法・手順の策定、対応マニュアルの整備
・カスタマーハラスメントに関する知識、対処方法についての従業員などへの研修の実施
・カスタマーハラスメント発生時の従業員などの心身のケアおよび再発防止のための取り組み