富士通とイオンモール太田は7月29日、ショッピングモール内のバリアフリートイレにおいて、ミリ波レーダー分析AIを活用して転倒の早期発見、用途外利用、長時間利用の検出に関する実証実験を開始することを発表した。実証期間は8月1日から2025年1月31日まで。

  • バリアフリートイレと、レーダー装置から得られる点群データの例

    バリアフリートイレと、レーダー装置から得られる点群データの例

実証実験の内容

今回の実証では、ミリ波レーダー分析AIを用いて、利用者のプライバシーに配慮しながら転倒の早期発見や、用途外利用や長時間利用の検出について確認する。具体的には、イオンモール太田内の一部のバリアフリートイレに富士通のミリ波レーダーを設置し、トイレ利用者をレーダーで捉える。

その情報はリアルタイムでクラウドへ転送され、AI分析を行った上でバリアフリートイレ内の転倒や用途外利用、長時間利用を検出し、安全性確保の有用性確認のために利用される。また、エリアごとの利用頻度や占有率を収集し、利用者にとってより良いトイレ空間を目指した検証を実施する。

実証の背景

富士通は2024年1月からTOTOとミリ波レーダー分析AIを用いて、商業施設や駅構内などに設置されたバリアフリートイレなどの空間における見守りについて実証実験に取り組んできた。これにより、誰もが安心して過ごせる公共トイレ空間の創出を目指す。

一方で、イオンモール太田でもバリアフリートイレ内における転倒など予期せぬ事故の早期発見による一層の安全性確保が課題となっていたという。そこで、両社は実証実験をイオンモール太田のバリアフリートイレで開始するに至ったとのことだ。