エクサウィザーズの100%子会社で、健康・医療分野のAIサービスを企画、開発・提供するExaMDは7月29日、CRO(医薬品開発支援)のシミックホールディングスと、業務提携契約を締結したことを発表した。
SaMD(ソフトウェア医療機器)とNon-SaMD(ソフトウェア非医療機器)の両分野において、臨床エビデンスに基づいた新しいAIアプリの開発を加速していく方針。
業務提携の目的
SaMDを含む臨床エビデンスに基づいた健康・医療サービスの普及は、日本ではまだ発展途上となっている。AI技術を活用し、スマートフォンなどのさまざまなデジタル機器から得られるデータを用いた「AIバイオマーカー」を利用するソフトウェアサービス(SaMD、Non-SaMDを含む)の開発は、従来の医療機器と異なる多くの課題があるという。
特に臨床開発においては、GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準を定めた省令)に基づいたデジタルバイオマーカーの収集や、臨床的に意義のある評価基準の設定、医学的に評価されたデータに基づくAIの学習、医療サービスとして求められる精度の担保など、医療の場で使用されるサービスとしてさまざまなポイントを考慮する必要がある。
加えて、パーソナルデータをセキュアな環境下で管理・活用するための通信・流通システムも不可欠となっているものの、これら全体をマネージして実現するプレイヤーはこれまで僅少な存在だったという。
一方で、臨床エビデンスに基づくソフトウェアサービス(SaMD、Non-SaMDを含む)への社会的ニーズは年々増しており、今回の業務提携で医療市場だけでなく健康市場も含めて、消費者に安心して利用してもらえるソフトウェアサービスの開発や社会実装、ひいては新たな市場の形成や開拓の進展が期待されている。
両社は、今回の業務提携によって両社の強みを生かしてこれらの課題に対処し、高品質で臨床エビデンスに基づいたAIサービスを迅速に開発できる体制の実現を目指したい構え。