生成AIが少しずつ実用フェーズに入っている。ベネッセでは2023年4月から生成AIの活用に取り組んでいる。では、同社はどのように価値に繋げているのか。

7月18日の「TECH+セミナー AI Day 2024 Jul. AI浸透期における活用法」に、ベネッセホールディングス データソリューション部 部長でGenerative AI Japan 事務局長 兼 業務執行理事の國吉啓介氏が登壇。ベネッセにおけるDX、生成AIの活用とその考え方、そして一般社団法人として立ち上げたGenerative AI Japanの狙いについて説明した。

2つのアプローチ、3フェーズで進めるベネッセのDX

ベネッセホールディングスは、「よく生きる」というコーポレートメッセージの下、教育から介護まで幅広いサービスを提供している。その中で、DXを重要なテーマに位置付け、新しい価値創造、そして自分たちの仕事やサービスの在り方のアップデートを進めているという。

國吉氏は、ベネッセのDX戦略には2つのアプローチがあると話す。

1つ目は「事業フェーズに合わせたDXの推進」だ。各事業体によってデジタルサービスの浸透度や顧客価値への結び付き方が異なるため、事業の状況に応じたアプローチが必要だと説明する。

2つ目は「横断的な組織のDX能力の強化」だ。デジタル技術やAIの進化により、テクノロジーは多くの人が使いやすいかたちになってきている。そのため、幅広い人材がこれらの技術を活用できるようにするとともに、専門性の高い領域ではさらなる深化を図っているそうだ。

「この2つを回しながら、DXで価値を生み出していきます」(國吉氏)

具体的には、DXの進み具合を「デジタルシフト」「インテグレーション」「ディスラプション」の3段階で捉えている。デジタルシフトでは品質や生産性の向上、インテグレーションではオンラインとオフラインの融合による新しい価値の創出、ディスラプションではビジネスモデルの転換を目指す。各事業領域によってこの進行度合いは異なるため、バランスを取りながら進めている。

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