オリエンタルランドが〝第2の柱〟としてクルーズ事業に参入へ

新たな体験価値を求める顧客をどこまで捉えることができるか

「物理的に日常から離れ、非日常を船上でしか味わえない体験ができる。また、天候に左右されずに楽しめるコンテンツが多く、ゲストそれぞれのスケジュールに合わせ過ごすことができる点はクルーズならでは」(関係者)─。

 ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドは、7月9日にディズニー社とのライセンス契約を行い、日本拠点の新事業「ディズニークルーズ」を開始する。クルーズ船は約14万トン、客室約1250室、乗客定員は約4000人、乗組員数は約1500人で、投資総額は3300億円、就航は2028年度を目標とする。米・ディズニークルーズはアメリカで1998年に就航以来、現在5隻が運航中、さらに3隻増えることが計画されておりシンガポールでの就航も予定されている。

 今回、日本拠点のクルーズは首都圏の港を発着して2~4泊船内で過ごし、首都圏の港に帰着するという周遊クルーズが基本となる予定だが、国内外の港も含む航路も検討中としている。クルーズの前後に東京ディズニーランドや東京ディズニーシーのパークを利用可能とすることも視野にも入れる。料金は標準的な価格帯で、2〜4泊で10〜30万円。年間利用者は40万人、売上高1000億円を見込む。

 2023年度のパークの来場数は2750万人、客単価は1万6644円であり、クルーズの価格は6倍以上と高い。

 1983年のディズニーランド開業から四十年余。日本のテーマパークを牽引してきた同社が〝第2の柱〟を模索する時期を迎える中、クルーズの魅力をどう訴えるかが注目される。