NVIDIAが、同社の次世代AI向け半導体「Blackwell」の中国市場向けモデルを開発していると米ロイターが7月22日付で報じている。
米政府は中国へのAI半導体の輸出を規制しているが、同社は先端品ながら対中規制に抵触しないように性能を落としたモデルを開発したという。
Blackwellは2024年3月の同社の年次イベント「GTC 2024」にて発表された次世代アーキテクチャで、2024年末までに量産が開始される予定。同アーキテクチャを搭載した「NVIDIA B200 Tensor コア GPU」は従来製品より最大30倍高速とされるが、現在、中国の提携先であるインスパーと共同で「B20」(仮称)と呼ぶAI半導体の発売・流通に向けた作業を進めているという。この件に関して、NVIDIAもインスパーもコメントを避けている。
米政府は2023年、最先端半導体の対中輸出規制を強化したが、その取り組み以降も、NVIDIAは中国市場向けに調整した半導体を3モデル開発している。
NVIDIAの中国市場での売上高は2024年1月末基準で全体の約17%ほどと、輸出規制施行前の2022年の26%からは減少させているが、中国は将来有望な市場であり、そこでの商機を失うまいとしたたかに策を打ち出しているといえる。一方、Huaweiを中心とした中国勢もNVIDIAのAI半導体の入手が困難になるということを見越して、独自AI半導体の開発を進めているとされている。