ソラコムは7月24日、大成建設と共同で、建設現場内に設置した数十台から数百台の高性能Wi-Fiカメラの映像情報を活用して、工事計画の進捗や安全・品質の管理を遠隔から行うことができるWEBカメラシステム「BuildEYE」を開発したことを発表した。これにより、施工管理業務の効率化を図ることができる。
BuildEYEの概要
今回発表されたシステムの実用化は、ソラコムのクラウド型カメラサービス「ソラカメ」と大成建設のデジタル情報標準基盤「T-BasisX」との連携を可能にする独自UI(ユーザーインターフェイス)の開発によって実現したもの。
安価で高性能なWi-Fiカメラ「ATOM Cam Swing」を建設現場の各箇所に設置し、T-BasisXで構築するWi-Fi環境で映像をクラウド上に保管・管理することで、建設現場の管理者や作業者はいつでもどこからでも録画映像を閲覧・一括管理できるBuildEYEを開発した。
同システムは、T-BasisXによる広範囲で安定したメッシュWi-Fi環境とソラカメの既存サービスを活用することで、カメラの管理やライブ映像視聴、クラウド録画といったWEBカメラシステムの開発・運用にかかるコストと期間を低減した。
これにより、建設現場のニーズに合わせてリーズナブルに多くのカメラを導入・運用できるほか、映像情報を活用した施工管理業務の効率化が可能となる。
BuildEYEの機能
ソラカメのスマホアプリやWEBコンソールは、数十台~数百台のカメラの使用や施工管理業務には対応していなかった。今回、大成建設はソラカメのアプリケーション同士を連携させる機能を活用し、独自開発したUIによって建設現場のあらゆるカメラの映像情報を施工管理に活用できるようにした。
これにより、BuildEYEの管理画面からプロジェクトごとに個別カメラの映像や多数のカメラ情報を遠隔で一括して効率的に閲覧・管理することが可能となっている。
長期間の録画映像保存や検索機能、音・動的検知機能など、建設現場管理に必要な機能が備わってるほか、複数の現場での利用を想定して本社や支店、現場管理者、施工管理担当者など、ユーザーの役割やニーズに応じて映像情報の管理が簡便に行えるという。
両社は今後、同システムの建設現場での運用・普及に向けて、機能改善や拡張のための改良・開発を継続する。さらに、建設現場で蓄積されたデータの活用やAI、自社の既存管理システム、各種センサとの連携など、さまざまな応用展開も進め、建設現場の生産性向上や省人化に貢献していく考えだ。