東芝グループの東芝デジタルソリューションズは7月19日、同社が提供する各種ソリューションの機能要件に合わせて生成AIを即座に導入できる標準部品群と、顧客が生成AIを利用する際に必須となる権限管理や文書管理のセキュリティ管理と情報保護機能を備えた、「生成AI標準活用基盤」を開発したことを発表した。
同基盤は、生成AIを活用するための共通機能として、利用者の権限管理や文書管理、情報保護機能、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)機能などを備えるとともに、同社がフォーカスしている「社内文書・ナレッジ活用」、「工場データ・現場適用」、「設計・開発業務応用」という3つの活用領域におけるさまざまな機能要件に応じて、必要となる生成AIの応用機能群を合わせて標準部品化することで、ソリューションごとの個別開発が不要になるとする。
また、生成AIの技術の進歩に合わせたアップデートや動作検証を同基盤に集約することで、各ソリューションにおいて最新の生成AI技術を迅速かつ安全に使用することができるようになるともしており、これらの特徴を活用することで、生成AIを活用したソリューションの開発期間を短縮したり、常に最新の生成AI技術を活用したソリューションの提供などが可能になると同社では説明している。
同社では同基盤を適用した第1弾のソリューションとして、ドキュメント活用サービス「コメンドリwith生成AI」を開発。同サービスは、民間企業や自治体などでの利用を想定して開発されたチャットボットシステムで、生成AIを活用することで、業務で発生した課題についての質問に対して、登録したドキュメントの中から短時間で回答の要約を表示するほか、出典元のドキュメントの該当箇所も確認できるため、回答結果の信憑性を正しく即座に判断することができるなど、安心して業務に活用することができる仕組みになっているという。
なお、コメンドリwith生成AIはすでに提供が開始済みで、同社では同サービスの強みを生かせるであろう社内での情報共有などの用途を想定し販売を進めるとともに、さまざまなソリューションの開発において同基盤の適用を進め、さまざまな顧客のさらなる業務効率化などに貢献していきたいとしている。