【ずいひつ】ジャファー・アフメット・AIRVISA代表取締役CEOが語る「雇用管理の一気通貫サービス 外国籍人材の雇用のメリットと注意点」

産業界全般の経営課題となっている「人手不足」。その解決策の一助となるのが外国籍従業員です。雇用に頭を悩ませる日本企業にとって、外国籍従業員を雇用することによるメリットは実はたくさんあります。

 まずは、介護、外食、建設、農業といったあらゆる分野で日本人の労働者の不足を補完するという側面です。そしてもう1つが企業文化の多様化です。日本の商習慣や文化を学習してもらう必要はありますが、その一方で外国籍従業員を雇用することで各国の商習慣や文化を日本企業が学ぶことができるのです。

 しかし、現実問題として外国籍従業員のビザ管理や申請にかかわる「外国人雇用状況届出」については様々な課題があります。外国人雇用状況届出については、外国籍従業員の雇い入れと離職時の提出が法律で義務付けられています。そして、多拠点で事業展開している企業は、各拠点の所在区域を管轄するハローワークに個別提出する必要があるのです。これが非常に煩雑で手間暇がかかるのです。

 分かりやすい例では、外食チェーンが挙げられます。全国各地に店舗を構え、日々、本業である飲食サービスを提供しながら外国籍従業員の雇用にかかわる手続きを行っていますが、この手続きを行うのは各店舗。しかもビザの申請などは出入国在留管理局が担っており、各地域の出張所の開所時間は、おおむね午前9時から午後3時まで。しかも土日は休みです。

 限られた時間に間に合うように現場の従業員が行動するわけですから、現場への負担は非常に大きいと言えるでしょう。実際、当社にもご相談の声が数多く届いています。さらには外国人の雇用に際して注意が必要なのは、故意でなくとも届出が漏れたり、就労資格を持たない方を雇用した場合、罰金の対象になってしまう点があります。

 現場の細かな状況に本部が全てを把握することは不可能に近いです。そこで当社では厚生労働省の外国人雇用状況届出システムと連携し、当社の外国籍従業員のビザ管理・申請クラウドソフト「AIRVISA(エアビザ)」に同システムのIDとパスワードを登録することで、エアビザ上の操作だけで外国人雇用状況届出を電子申請できる機能を搭載しました。外国籍従業員のビザの申請から在留カードの期限を知らせるアラートメールによる管理といった手続まで、一気通貫で外国籍人材の雇用体制を管理することができます。

 今年3月には特定技能に新たに4分野が追加され16分野へと拡大しました。それに伴って特定技能外国人数の受け入れ数は増えるでしょう。しかしながらその一方で、現場の負担を少しでも軽減しなければ肝心の現場が回らなくなってしまいます。

 当社のサービスを利用した英語を教える学童教育を手掛ける企業様は300人規模の外国籍従業員の雇い入れに成功しました。それだけの数をアナログで行えれば、現場の負担感は大きかったと思います。しかも、当社のサービスを導入することでコンプライアンス体制の強化にもつながっています。

 私自身、今では日本国籍に帰化していますが、スーダン人の両親の下で育ちました。ですから、外国人のビザ問題については、かねてより当事者意識を持ち、課題感を感じていました。外交官だった父は日本好きでしたが、外見で苦労をしたと言っていました。そんな苦労を他の方々にもして欲しくありません。

 外国籍従業員にまつわる課題は1部署の問題ではありません。経営全体で考えなければならない大きな課題なのです。

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