アンチパターンは7月12日、経営者・経営企画・Bizdev、SaaS(Software as a Service)系エンジニア、非SaaS系エンジニアを対象に実施した「SaaSに対する理解や興味、課題に関するアンケート調査」の結果を公表した。売上成長基調にあるもしくはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進企業では、5割以上がSaaS開発へ高い関心があることが明らかになった。
「SaaS開発の必要性を感じている」成長基調にある企業が95.1%
「勤め先はSaaS開発に興味はありますか」と尋ねると、「とても興味がある/興味がある」と回答した割合は、売上が成長基調にある企業が51.5%、そうでない企業が23.2%となり、特に成長基調にある企業においてSaaS開発への関心が高い傾向にあった。
また、SaaSに興味を持つ企業の中で「SaaS開発の必要性を感じている」と回答したのは、成長基調にある企業が95.1%、そうでない企業が88.0%と、いずれも高い割合の方がSaaS開発の必要性を感じていていた。
「勤め先のDX推進状況」に関しては、「既にDXを推進している/DXを推進していないが検討している」と回答した割合が、成長基調にある企業が80.0%、そうでない企業が42.9%で、DXを推進している企業の方が売上が成長基調であることが明らかになった。
SaaS系エンジニアとビジネスサイドを比べると、SaaS開発に対する興味度はSaaS系エンジニアが76.5%、ビジネスサイドが22.3%と、SaaS系エンジニアはSaaS開発に対して興味を持っていた。SaaS開発に興味を持つ人々の中で「SaaS開発の必要性を感じている」と回答したのは、SaaS系エンジニアが96.8%、ビジネスサイドが87.3%と、SaaSに興味を持つ人々の大部分が開発の必要性を感じていることがわかった。
一方で、SaaSに対する理解度に関しては、「概念理解」「開発理解」ともにビジネスサイドよりもSaaS系エンジニアの方が高く、エンジニアとビジネスサイドの間には理解度の乖離が存在していることが明らかになった。
開発を進められない理由は「開発に必要な知識を持った人材がいない」
勤め先でSaaS開発に必要性を感じながらも現在開発を進めていないと回答した人に理由を尋ねると、どの職種でも最も多かったのは「開発に必要な知識を持った人材がいない/足りない」、次いでSaaS系エンジニアの場合は「新規のSaaS開発に割ける人員がいない/足りない」と「SaaS開発を進めるための組織体制やガバナンスが整っていない」、ビジネスサイドでは「データ移行コストが発生する」「既存システムとの互換性が不安」「資金が足りない」という理由が上位に挙がった。
コントロールプレーンへの理解が高い層では人材不足を理由に挙げる一方で、「セキュリティへの懸念」や「既存システムとの互換性が不安」という理由も多いほか、SaaSの運用面や管理面への懸念も理由として挙がった。
SaaS自体の運用や管理・サポートをする機能群である「コントロールプレーン」の理解度については、ビジネスサイドでは24.0%、SaaS系エンジニアでは58.6%。しかしSaaS系エンジニアの中でも約4割はコントロールプレーンへの理解が不十分であることがわかった。