物価高続く中、ヨーカ堂やイオンが相次ぎ値下げ

物価高が続く中、セブン&アイ・ホールディングス傘下のスーパー・イトーヨーカ堂が、食料品や日用品の価格を見直した。グループのヨーカ堂とヨーク223店舗で、7月から来店客の購入頻度が高い食料品30、日用品70の合計100品目をそれぞれ約5%~20%値下げ。平均で約10%の値下げとなる見通しだ。

 4月の決算説明会で、セブン&アイ・ホールディングス常務CFO(最高財務責任者)の丸山好道氏は「2023年度の後半から日米ともに経済環境変化による消費マインドへの影響が強くみられており、24年度上半期は一定程度その影響が残るものと考えている」と話していた。

 実は、ヨーカ堂は今年4月にも71品目を約10%値下げしており、今回の価格改定は2度目。

 また、同社のPB(プライベートブランド=自主企画商品)『セブン・ザ・プライス』の品揃えを強化。『セブン・ザ・プライス』は、例えば、納豆のたれやからしを入れずに販売したり、デザインの色を削減してコストを低減したりして、低価格を実現。22年9月の販売開始から1年半が経った24年3月にグループ累計販売金額は100億円を突破。24年度中の200億円を目指している。

 帝国データバンクの調査によると、7月に入って、酒類・飲料、レーズン、チョコレートなど、411品目で値上げ。11月までの予定分を含めて、2024年に入ってからの値上げは合計1万品目を超える見通しだ。

 7月2日、イオンはPB『トップバリュ』32品目を値下げ。昨年度から四度目の価格改定で、合計120品目を値下げした。また、6月には期間限定でPB52品目を価格据え置きで増量する〝実質値下げ〟を実施。西友も4月から約300品目を値下げ、「少しでも節約したいというお客様のニーズにお応えする」(西友)としている。

 大企業を中心に賃上げが進んだとはいえ、中小企業はなかなか賃上げが進まず、実質賃金は25カ月連続でマイナス。原材料価格の高止まりや足元の円安はしばらく続きそうで、消費者の節約志向に対応しようとする流通各社の動きから今後もしばらく目が離せない状況だ。

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