電通グループとambrは7月11日、電通のマーケティングチームを調査主体として生活者意識調査を実施し、購買ファネルにおいてメタバースの活用が最も効果的なファネル(漏斗)/アイデアを明らかにした。具体的には、13個のメタバース施策のアイデアを作成し、それぞれの受容性や他の施策との比較優位性を検証した。

なお今回の調査は、「ファネル視点でメタバースアイデアを評価することでメタバースのチャンスと活用/展開のポイントを探る」ということも目的として、15~59歳の男女1000人(一般層500人、メタバース経験者300人、VR機器保有かつメタバース経験者200人)を対象に実施したもの。

購買ファネルの各ファネルにおけるアイデアの魅力度評価

購買ファネルの視点から見ると、理解を促すミドルファネル施策(メタバースでの工場体験やミュージアムは魅力度54.6%、バーチャル展示会が同49.0%)は、商品やサービスを多面的で楽しく理解し、世界観やカルチャーを感じられると評価されている。

次に、購入検討や疑似体験を促すボトムファネル施策(メタバースでのバーチャルショールームが同51.4%、ライフスタイル疑似体験は同50.2%)は、新しいトライアル体験を提供し、その商品やサービスのある暮らしをイメージできると評価される傾向が見られた。

各ファネルにおける主要なファインディングス

今回の調査で得られた各ファネルにおける主要なファインディングスは以下の通り。

認知(トップファネル)におけるメタバース

クリエイティビティ×テクノロジーでリアルとデジタルの融合した世界ならではの商品やブランドへの新しい出会い方を設計できる可能性がある。

理解(ミドルファネル)にけるメタバース

文字や写真ベースの情報を超えた、商品・サービスの多角的で深く楽しい理解や、企業・ブランドのパーパスや世界観の体感までできる可能性がある。

購入検討/疑似体験(ボトムファネル)におけるメタバース

その商品やサービスを自分の暮らしに取り込むイメージができる新しい手段となり得るため、カスタマージャーニーに新しく「疑似体験」を組み込むことで、トライアルの新しい形になる可能性がある。

ロイヤル化(リバースファネル)におけるメタバース

新しいサポート体験、新しいファン化の場など、購入後の企業やブランドと顧客との関係性をリッチ化できる可能性がある。