テックタッチは7月10日、生成AIを活用している大企業の会社員416人を対象に実施した「大企業における生成AI活用の実態調査」の結果を発表した。調査の結果、職場で生成AIを活用できている人はわずか1割程度で、約8割の企業が自社における生成AIの活用に課題を抱えていることが分かった。
大企業社員の20%超が生成AIを毎日使用
「業務上、ChatGPTなどの生成AIをどのくらいの頻度で使用していますか」と質問した結果、「毎日使用している」が21.2%、「週に数回使用している」が33.4%という回答が得られた。
一方で、「月に数回使用している」という人が18.5%、「ほとんど使用していない」という人が26.2%と、生成AIの普及は進んでいるものの、まだ日常的にビジネス活用されている状況にはないことがわかった。
生成AIを使用している人に用途を尋ねると、「文章編集・添削」が58.6%、「プレゼンテーション資料作成」が42.8%、「議事録の自動化」が41.4%であった。これより、アイデアの壁打ちやデータ分析などの業務改革や新規事業創造の領域において、生成AIの活用の余地があることが示唆された。
一方、生成AIをほとんど使用していない人の理由は、「業務で必要なケースがない」が58.7%、「利用用途がわからない」が28.4%、「セキュリティ上の懸念がある」が11.9%であった。
生成AI促進には「具体的な活用例の明示が必要」
また、勤務先における生成AIの活用状況を尋ねると、「大半が活用できている」が9.4%、「ほぼ全ての人が活用できている」が3.4%となり、活用できている層はわずか1割程度であった。
自社での生成AIの活用について課題を感じるかについては、「非常に感じる」が29.9%、「やや感じる」が48.8%となり、約8割の人が生成AIの活用において何らかの課題を感じていた。
その課題としては「どのように活用するのかが一覧でわからない」が49.8%と最も多く、以下、「AIの生成結果が意図通りでない」(41.6%)、「インタフェースが直感的でなく、使い勝手が悪い」(39.1%)と続いた。そのほか、「検証の手間や時間がかかる」「生成AIへのプロンプトのやり方が難しい」といった声もあった。
生成AIの活用をさらに促進するために必要なことを尋ねた結果、「業務での具体的な活用例を明確に提示する」(45.9%)、「プロンプト(AIへの指示)作りが簡単になる/手間が減る」(44.5%)、「既存システムとの連携」(41.1%)という回答が得られたほか、「ガイドラインの作成と教育」や「セキュリティ強化」などの声も挙がった。