ヌヴォトンテクノロジージャパンは7月8日、サーバの高密度化や省エネ化ニーズなどに対応可能な産業機器用ファンモータ向け48Vダイレクト駆動モータドライバIC「KA44370A」の量産を開始したことを発表した。
現在、サーバ台数はAIニーズの増加も相まって増加の一途をたどっており、それに伴う消費電力量も増加傾向となっている。そのため、省電力化、高効率化に向けてサーバの電源システムは、従来の12Vから48Vへの高電圧化が進むことが期待されている。
同製品は、そうした48V対応1Uサーバで用いられるファンモータ駆動を意識して開発されたもの。同社は30年ほど前からOA機器向けドライバIC製品の開発・製造・販売を行ってきた実績を活かし、2014年より産業機器向けファンモータ向けドライバICを展開。軽量化、高速かつ低振動での冷却といったニーズに対応してきたという。
1Uサーバへの搭載を意識して、40mm×40mmのQFNパッケージを採用しつつも、独自の高耐圧制御回路技術により最大定格100V(耐圧)の制御回路の実装を実現しながら、同時に降圧レギュレータや電源IC、ゲートドライバICなどの機能も搭載したことで外付け部品の削減(従来品の24V品比53%削減)も実現。サーバの高密度化を可能としたとする。
また、AIサーバなどは発熱量が大きくなるため、必要とする風量を確保するためにファンモータの高速回転ニーズが高まっているが、そうなると消費電力や振動が増大してしまうという課題があった。そこで同社ではモータ駆動電流値および位相を高分解能でリアルタイムにフィードバック制御する独自技術を採用することで、高速回転時でも単相ファンモータの消費電力を競合従来品比28%低減、振動も同20dBの低減を実現したという。
さらに、独自の回転制御アルゴリズムの採用により、競合の従来品と比べ2倍と1万回転以上の逆回転からでも、確実かつ安定な再起動を可能にしたとする。
なお、同社では同製品のメインターゲットは1Uサーバとしているが、48Vサーバ全域に対応することが可能であることから、幅広いニーズへの対応を図っていきたいとしている。