米国テキサス州のグレッグ・アボット知事は、7月5日から13日にかけて同州の州議会議員やビジネスリーダーなどを率いる形で台湾、韓国、日本を順次訪問し、政府関係者や企業トップらとの会談を行い、同州における半導体産業などの発展などを話し合う予定としている。
アボット知事は、「テキサスは、半導体や先進製造業など、重要かつ新興の産業に従事する企業に、成長と繁栄のためのツールと機会を提供している。台韓日のビジネスおよび政府リーダーと会い、経済と文化のパートナーシップを強化し、イノベーションの未来を築くために協力することを楽しみにしている」との談話を発表している。
同氏は台湾と韓国は知事として初めての訪問となり、日本は3回目の訪問となる。日本への訪問に先立ち、テキサス州知事室は、日本との関係について、「過去10年間、日本はテキサス州における外国直接投資プロジェクトによって創出された雇用数ですべての国をリードしている。2023年までの過去10年間で、日本企業は129件のプロジェクトに108億7000万ドルを投資し、テキサス州で2万人以上の雇用を創出した。2024年も最初の5か月間で、日本企業はテキサス州で520人以上の新規雇用を創出すると予想される6件の追加プロジェクトに14億7000万ドルを投資した。2023年のテキサス州と日本の貿易総額は312億ドルで、日本はテキサス州にとって5番目に大きな貿易相手国となった」と説明している。
テキサス州が台湾に「テキサス州台湾事務所」を開設
7月7日には台湾の頼清徳総統と会談。テキサスと台湾が協力して貿易関係を強化し、半導体、エネルギー、電気自動車製造業など重要な経済推進力への投資強化に向けて意見交換した。
また、台湾の経済大臣である郭継輝氏とともに、テキサス州と台湾の強力な経済関係を認識し、イノベーションの未来を支えるために主要産業へのさらなる投資、貿易、協力を促進するための「経済発展意向表明書(EDSI)」の調印式にも出席したほか、「テキサス州台湾事務所」の開所が公式発表された。同事務所の設置により、より緊密な協力を促進し、相互に利益のある経済成長と文化交流を促進するという。
このほか、同知事は台湾にてテキサス州シャーマンに50億ドルをかけた先進的な300mmウェハ製造施設を開設されたGlobalWafersおよびSino-American Silicon Productsの会長兼CEOであるDoris Hsu氏との会談も実施。テキサス州は13年間にわたって半導体輸出で米国トップに位置しており、両氏はテキサスと台湾が協力して、世界の半導体産業にとって重要な部品の生産を増やす方法について議論したという。
なお、同知事ら一行は、韓国を訪問後、今週後半に日本を訪れ、政府や産業界の要人と会談する予定となっている。