韓国の華城市は、ASMLとSamsung Electronicsが共同で次世代EUVリソグラフィを活用した超微細半導体製造工程に関する研究開発センター(R&Dセンター)の設立に向け、6月末に韓国土地住宅公社(LH)と土地売買契約を交わしたことを明らかにした。
同センターは、ASMLが4000億ウォン、Samsungが6000億ウォンの合計1兆ウォン(約1200億円、1ウォン=0.12円換算)を投じて1万9000m2の敷地に建設される予定。ASMLは、韓国における研究開発、組み立て製造、およびリソグラフィ技術者トレーニングセンターの役割を果たす「ASML華城ニューキャンパス」を同市内に建設中だが、その隣接地同センターを建設することで、研究開発の相乗効果を高めたい考えだという。
華城市のチョン・ミョングン市長は7月4日、同市役所で訪韓中のASMLのフランク・ヘームスケルク(Frank Heemskerk)対外総括副社長と会い、研究施設の建設に必要な行政支援などについて協議した。同市役所では、その様子を写真とともに公開しており、韓国メディアが一斉に報じている。
同市長は「華城ニューキャンパス」に続き、「ASML-Samsung共同研究施設」の建設地として華城市を選択してくれたことに感謝の意を表し、「成功のために各種の許可から密着支援するワンストップサービスを提供する」ことを約束したという。また、ASMLのヘームスケルク副社長は「SamsungはASMLの重要顧客で、今回の研究支援施設の建設は両社による共同技術開発を一気に推進し、華城市での半導体企業と協力を拡大・強化するきっかけになることが期待される」と話したとする。
なお、ASML Koreaには、2000人を超える社員がおり、本社のある華城のほか、Samsungの最も新しい半導体拠点である平澤、SK hynixの本社工場がある利川ならびにNAND量産拠点の清州の4か所にサービス拠点を設けている。